はじめに
約26万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターが、住まいの悩みに答えるシリーズ。今回は、住宅・不動産総合サービス「SUUMO」の田辺貴久・副編集長がお答えします。
【相談者のお悩み】
築30年の賃貸マンションに住む、共働き夫婦です。4歳の長男と2歳の長女がいます。私も夫も会社に30分以内で行ける、通勤に便利なエリアで新築マンションを購入したいと思っています。
いつも新築マンションのチラシを見て、こんな素敵な暮らしができたらなぁと憧れているのですが、私は片づけがあまり得意ではありません。今住んでいる部屋は、玄関を開けると靴やおもちゃが散乱し、リビングには物があふれてしまって雑然としています。
夫には「新築マンションを買っても、どうせ散らかすんだろ」と言われ、そう言われると確かに、買ってもすぐ散らかしてしまって宝の持ち腐れにならないか心配です。私のような“ずぼら人間”には、新築マンションを買うなんて、もったいないでしょうか。
【相談者プロフィール】
・本人:妻33歳(会社員)
・家族:夫33歳(会社員)、長男(4歳)、長女(2歳)
・現在の住居:賃貸マンション(世田谷区、60平米、2LDK、築30年)
田辺: ご相談ありがとうございます。今回は「片づけられない悩みに効く家選び」について考えてみましょう。
「片づきにくい家」に住んでいませんか
「入居した当初はきれいにしていたはずなのに、その状態をキープできないのは、片づけが苦手な自分のせい」――。多くの方がそう思ったことがあるのではないでしょうか。
相談者は現在、築30年の物件にお住まいとのことですが、「片づけられない」のは、現在のお住まいの「収納設備の使い勝手の悪さ」も1つの要因になっているかもしれません。
たとえば、押し入れ収納。布団をしまうのには適していますが、洋服や雑貨などを収納するには深すぎて不向きのため、きれいに整理整頓して使うのは難易度が高いです。
築年数が経っている家や賃貸物件に多いのが、そもそも収納設備が少ない家です。これは、タンスなど収納家具を置くことを前提として設計されているためです。
収納設備が足りないことに気づかないままだと、物の行き場がない状態が続いてしまいます。「収納が必要な場所」と「収納家具を置くことができるスペース」にギャップがあると、生活動線が悪くなり散らかるという負のスパイラル(循環)に陥りやすくなってしまいます。
このように、部屋が散らかる状態になりやすいのは、今お住まいの家の収納設備に起因する部分も大きいといえます。「整理・収納が苦手」と思っている人こそ、最新の住宅で使いやすい収納を手に入れると、生活が劇的に変わる人が多いのも事実です。
住み替えることで、「片づきにくい家に住んでいただけ」なのだと気づき、素敵な暮らしを手に入れる方もたくさんいますので、安心してください。