はじめに

色々な選択肢や生きかたがある

ー『人生の歩きかた図鑑』というタイトルにある通り、その場かぎりではない先を見据えた視点が大切ということですね。

そうですね。子どもはどうしても「目の前の問題から逃げ出したい」ということで頭がいっぱいになりがちです。そうした子ども達が、逃げ出した先でどう生きていくのかまでを考えてアドバイスをするのが大人だと思うんです。

中には、「助けてあげるよ」といって、その場限りの甘い言葉で近づいてくる大人もいます。でも、そんな人ばかりじゃない。この本で紹介したように。子どもたちを助けたいと思って待っている大人たちがたくさんいるのを知ってもらいたいです。

たとえば、取材でお話を聞きに行った、子ども食堂運営者の栗林さんは、「いつでも相談にのります」と私用の携帯番号を書籍に掲載するようにいってくださり、ビックリしました。そんな、子どもたちのSOSを真剣に受け止めようとしてくれる25名以上の大人達の声を本に収録しています。

挫折して困っている、あきらめかけている子どもに対しては、たくさんの失敗を経験してきた大人が、うまくいかないことがあっても前に進めばいいんだと励ましてあげる必要があります。

そういう意味で、大人にはまずは「そんなに心配しなくても大丈夫。なんとかするよ」と第一声で答えてあげてほしいですね。こんな生き方があるんだというのを見せるのが大人の役割だと思うんです。「学校にいけなくても、こんな進路があるんだ」と気づけば、悩みで頭がいっぱいになっていた子どもも、ほっとしますよね。

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