老後

「退職金には手をつけたくないけれど…」定年後も続くローン返済

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、親の介護のために妻と娘と離れて暮らす58歳の男性。定年後も住宅ローンや奨学金の返済が続きます。退職金で一括返済することも可能ですが、老後のことを考えるとどうやりくりするのがいいのでしょうか。FPの飯田道子氏がお答えします。

親の介護で家族と別居しています。一緒に住むことができればいいのですが、事情があってそれは叶いません。妻と娘は2人で暮らしています。私は、あと2年で定年を迎えます。無事に定年を迎えられれば退職金が2200万円受け取れます。現在、妻と娘の住んでいるマンションのローンが約1000万円と、娘の奨学金の借入が400万円残っています。定年後は再雇用されますが、年収は半分程度になってしまいます。退職金には手を付けたくないのですが、老後のために今からできることは何かありますでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・男性、58歳、既婚(妻:56歳)、子供1人(26歳)
・職業:会社員
・居住形態:持ち家(戸建て)
・毎月の世帯の手取り金額:50万円
・年間の手取りボーナス額:150万円
・毎月の世帯の支出目安:50万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:なし
・現在の貯蓄総額:300万円
・現在の投資総額:10万円
・現在の負債総額:1400万円
(住宅ローンと奨学金の返済)


【支出の内訳】
・住居費:10万円
・食費:10万円
・水道光熱費:4万円
・教育費:なし
・保険料:7万円
・通信費:5万円
・車両費:5万円
・お小遣い:3万円
・その他:6万円


飯田: 親御さんの介護のために、ご家族と離れて暮らさなければならない相談者様。現在、気になっているのは老後のこと。再雇用は可能なものの収入は半減。ローンの支払いも残っており、今からできることは何かを知りたいご様子です。

本当に必要な支出か?使途不明金をチェック!

現在の収支を見ていくと、プラスマイナスゼロの状態。退職金が支給されるといっても、本来であればセカンドライフのために貯蓄すべきこの時期に、貯蓄のためのお金を捻出できないのは厳しい状態だと言えます。まずは支出を見直して、使途不明金がないかをチェックしてください。

もし使途不明金がない場合でも、本当に必要な支出なのか、今一度考えてみましょう。

通信費、保険は早急に見直しを!車はカーシェアの検討も

支出は全体的に高額になっていますが、これは二世帯分の支払いを行っているゆえの金額だと思います。とはいえ、気になる部分もあります。保険料7万円、通信費5万円、車両費5万円は、二世帯分といっても、少しばかり高額に感じます。そのため、家計の見直しが必要です。

まずは保険から。細かい加入状況はわかりませんが、住宅ローンに加入しているため、最低限の死亡保障は得られています。別途死亡保障に加入しているのなら、減額を検討しても良いかもしれません。もし娘さんの保険料を支払っているのなら、支払いは娘さんに委ねるべきでしょう。

今回の内訳で最も気になったのが、通信費です。おそらく固定電話やスマホ等の携帯電話料金、PC関連の費用の総額だと思います。現在、通信会社各社は顧客獲得に向けてしのぎを削っています。お得なプランも多数登場していますので、携帯キャリアそのものの見直しをしても良いかもしれません。格安スマホに換えるだけで、1台当たり数千円の節約に繋がります。変更を検討しても良いでしょう。

続いて車両費についてです。複数所有しているのか、1台のみなのか、自動車保険料が含まれているのかはデータからは読み取れないのですが、毎日乗らないのであればカーシェアリングを利用し、必要なときのみ利用するという方法に切り替えても良いでしょう。カーシェアリングがないような地域であれば、タクシーの利用を検討してみてください。

「タクシー=高い」というイメージを抱く人は多いのですが、自動車税や自動車保険料やガソリン代等の諸経費を含めると、想像以上に車の所有にはお金がかかっていると思います。車を持ち続けるべきか、考えてみてください。

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