はじめに
熊本電鉄にはどんな車両が残っている?
ここで、現存している熊本電鉄の車両について説明しておきましょう。
◆ 01形
第3軌条から架空線の車両に変身
5000形青ガエルの置き換え用として、2015・2016年に元・東京メトロ銀座線01系を2編成導入しました。
銀座線と熊本電鉄は共に直流600ボルトながら集電方式が異なるため、各編成1両にパンタグラフを搭載しました。また、3代目200形よりも小さい車両のため、乗降用ドアの下にステップを設けています。このほか、走行機器も更新されました。
現在は2編成とも「くまモンのラッピング電車」2・3号車として運行中。特に3号車は東京メトロの協力を得て、銀座線1000系と同じカラーリングにフルラッピングされました。
◆ 03形
日比谷線の雰囲気をそのままに新天地へ(提供:熊本電気鉄道)
熊本電鉄のニューフェイス。元・東京メトロ日比谷線03系を導入し、2019年4月4日にデビューしました。現在は1編成在籍しており、今後2編成が移籍する予定です(車両番号は未定とのこと)。
◆ 6000形
熊本電鉄の主力車両6000形
前述した熊本電鉄の主力車両。同社の鉄道車両では初の冷房車となり、夏季の快適性が大幅に向上しました。
5編成のうち、1968年製は2編成、1972年製は3編成が在籍。後者のうち1編成は「くまモンのラッピング電車」1号車として運行中。残る2編成は、フロントガラスの周囲を黄色に塗装しています。
◆ モハ71形
裏方に徹するモハ71形
1928年に新製された元広浜鉄道の車両で、車齢は91年を数えます。現在は入換車として、のんびり過ごしています。
◆ 5000形
5000形青ガエル
現役最後の青ガエルは引退後、動態保存兼入換車として、新たな役目を与えられました。イベント開催時には、北熊本駅構内の車庫で乗車会が開催されています。
定期運用から予備車へ
3代目200形はいつしか予備車に回り、他の車両の検査時や故障発生時などで営業運転に就くようになりました。熊本電鉄によると、定期運用から予備車に転じた日などのくわしいデータは残っていないそうです。
50年間お疲れ様でした
そして、2019年5月20日、熊本電鉄は3代目200形の引退を発表しました。南海22000系として1969年に営業運転についてから、50年の長きにわたる歴史にピリオドを打たれるのです。
引退記念として、ヘッドマークの掲出、記念グッズの販売、おもいでメッセージの掲出が行なわれています。ラストランの7月30日は終日にわたり、菊池線・上熊本―北熊本間を運行する予定です。