はじめに

それでも日雇い派遣を禁止すべき理由

働く主婦層の声を聞く限り、日雇い派遣の原則禁止は見直すべきという意見の方が多数派です。しかし、日雇い派遣は原則禁止のままでいいという声もあります。フリーコメントには、以下の意見が寄せられました。

「日雇いは保障がないから」「一家の大黒柱になる人が日雇いでは家庭は維持できない」「法は存在させたままで内容の吟味が必要」「派遣切りなどの悲劇が軽減されるなら」「社員登用が増加する動きを期待したい」

どれも、日本社会で安心して働いていくために大切な指摘だと思います。派遣という働き方を肯定する人も否定する人も、不本意な働き方を強制されたり、そこから抜け出せなかったりするような社会は望まないはずです。

しかしながら、アンケート結果を見る限り、日雇い派遣を禁止すれば解決するというものでもなさそうです。

特に働く主婦層の間では、専業主婦期間を経て仕事復帰するための慣らし期間であったり、家仕事の合間のすきま時間の有効活用など、日雇い派遣ニーズは根強く存在しています。日雇い派遣の原則禁止は、それらのニーズを有する人にとって、働きづらいルールです。

より良いルールの検討を

今回のアンケート結果は、働く主婦層という限られた層の声です。日雇い派遣の原則禁止というルールを見直すべきか否かを判断するためには、もっと広く、労働者層全体の声に耳を傾ける必要があります。

いま、厚生労働省の労働政策審議会にて、日雇い派遣の原則禁止を見直しすべきか議論が進められています。その中で、実態調査が行われることも決まりました。ようやくルール見直しに向けた具体的な動きが始まったと言えます。

2年前、私は日本経済新聞社に『日雇い派遣は主婦を助ける』という記事を寄稿しました。その記事を読んだ方から、当時いただいたメッセージの一部をご紹介します。

「世帯収入500万円の例外要件を利用して日雇い派遣のお仕事を時々しています。しかし、今年夫が定年を迎えるので例外要件に当てはまらなくなりこのまま法改正が行われなければ仕事ができなくなってしまいます。首相の掲げる「一億総活躍社会」・・私も微力ながら自分にできる小さな活躍をしたいのです」

小さくても切実な声は、日本中の至る所で聞かれます。声の大小に惑わされることなく、誰もが働きやすい社会にしていくために耳を澄まし、働くことを希望する人の様々な声が、これからのルールづくりに適切に反映されることを願っています。

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