はじめに
もうすべて終わりだ――。株式市場が大きく下落するようなことがあると、まるでこの世の終わりのように感じ、恐怖心から持っている株を手放してしまうことがあります。
どんどん下がる相場を目の当たりにしていると、血の気がなくなってくるような経験を、株式投資したことがある人であれば多くの人が感じたことがあると思います。
それでもたいていはそのような恐怖感がピークに達したところが株価の一番安いところだった、ということも多いのです。
昔から投資家の心理は変わらない
投資の世界には、洋の東西を問わず昔から「相場格言」というものが伝えられています。
相場というものは結局、売り手と買い手の心理が価格を決定するものですので、大きく下落しているときの心理、大きく上昇しているときの気持ちは、株式であれ、商品であれ、古今東西変わらないということ。
江戸時代の米相場から伝えられている格言や米国の証券取引所がある「ウォール街」の格言などが、今の株式市場でも使われています。
「人の行く裏に道あり花の山」
代表的な相場格言のひとつに「人の行く裏に道あり花の山」というものがあります。
これは大勢の人が集まる花見の名所、大通りに綺麗な花を見に行くのではなく、誰も知らないような裏道にこそ綺麗な花を見ることができる場所があるという意味です。
同様に相場でも、皆が上がると思っているときに一緒になって上がると思って買う株よりも、皆があまり騒いでいないような企業の株式こそ価値が上がって、株価が上昇するものだという意味で使われています。
相場格言をみると、このように「皆が言っているから」ということではなく、自分でしっかりと価値の上がる会社を探しなさい、「人の言動を鵜呑みにするな」という話が多く述べられています。
相場格言というと、なんとなく堅苦しい感じもしますが、投資をするのであれば、投資家の心理を知るために覚えておいて損はないと思います。
今風の言葉でいうと、「相場あるある」とでも言い換えられるでしょうか。なんとなく親しみが湧いてきませんか。