はじめに
桜の開花宣言が発表され、いよいよ4月が始まりました。
株式投資をしている人にとって、実は3月末は「配当」や「株主優待」が気になる季節でした。株式の売買は4営業日目の決済となるので、株主優待を貰うためには今年の場合、3月28日までに買っておかなければなりませんでした。この時点で買っておけば、3月決算銘柄では株主として、株式の配当や株主優待を貰う権利を手にできます。
また、3月末に保有していれば、その前後の日に株式を保有していなくてもよいということで、「信用取引」という手法を使って、株価の値動きのリスクを回避しながら株主優待を貰う方法もあります。
ただ、こうしたちょっと“イカした方法”で得した気分になると、大きな落とし穴にハマることがあります。株主優待で貰うことができるものよりも高い“手数料”を支払う羽目になることも多いのです。
リスクのない儲け話はない?
10万円出して1,000円を貰うつもりが、きちんとリスクを考えなかったことで、実は1万円の損失となってしまった、ということが起こり得ます。
こんなことをいうと、投資、特に株式投資は難しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、これは株式投資に限ったことではありません。どんな投資でもリスクとリターンは表裏一体。つまり、簡単に利益を出すことができるものはないのです。
よく「30万円を1億円にする方法」「私が3億円儲けた方法」ということが言われ、多くのノウハウ本なども出ています。ただ、その本を読んで簡単に1億円稼げるのであれば、誰も本など書かずに、こっそりと稼いでいるはず。
つまり、うまい話はどこかに落とし穴があると考えておくといいと思います。
もちろん、大きなリスクを取ったからといって、その分のリターンが得られるわけではないのですが、大きなリターンを得ようと思うとそれなりのリスクやコスト、そして知識も必要になります。
逆にいえば、いかにリスクを減らしてリターンを増やすかが投資なのです。
株式会社はリスク軽減のため?
そもそも株式投資の対象となる株式会社が出現したのは、大きなリスクを小さなリスクにするためだったと言ってもよいもの。全財産をひとつのものに投資すると、その投資が失敗すると破産することになりますが、出資した金額だけの損失ということであれば最大限の損失が計算できます。
そして大きな設備などが必要であれば大勢の人が少しずつお金を出し合って大規模な設備を構築する、この出資が「株式」というかたちになるのです。
定期預金や国債の利回りが低いのは、元本割れや投資資金がなくなることがない安全な投資だから。リスクが高くリターンが低いということはあっても、リスクが低くてリターンが高いということは、そうそうあるものではありません。