はじめに
「同性パートナー」の相続税はどうなるのか?
では、相続についてはどうでしょう? たとえば一般的には、生命保険を相続税対策に使うととても有効です。それは生命保険の保険金は、「みなし相続財産」になり、法定相続人の人数×500万円が非課税になるからです。
ところが「同性パートナー」の場合は、法定相続人ではないので、これを使うことができません。通常の相続税がかかってくるのです。
しかも、相続でいうと、法的な配偶者ではないので遺留分というものがありません。ですから相続は不利な立場になります。
損害保険での「同性パートナー」の扱いは
次に、損害保険では「同性パートナー」は、どうなっているのでしょうか?
自動車保険では、配偶者の定義を変更して、「同性パートナー」を配偶者として補償する動きがあります。
損保ジャパン日本興亜は、2017年に自動車保険の配偶者の定義を変更して「同性パートナー」も補償も受けられるようになりました。また、東京海上日動火災も、2017年に同性パートナーも配偶者として扱う「火災保険」「自動車保険」を発売しました。三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保も2019年には、自動車保険の配偶者の定義を見直し「同性パートナー」も補償があります。
その他、金融機関のLGBTへの対応は
じつはLGBTへの理解の広がりは、保険だけではありません。金融業界のなかでも広がっています。
例えは、住宅ローンを組む場合に利用する「ペアローン」は、夫婦でしか使えませんでした。しかし今では「同性カップル」も利用できる金融機関も出てきました。
楽天銀行は、同性パートナーでも「連生団体信用生命保険」に加入ができます。また、マネックス証券では、性的マイノリティのために二人で貯蓄ができ資産管理のできる「パートナー口座」が開設されています。みずほ銀行では、本人以外の家族もキャッシュカードを持てる「代理カード」に「同性パートナー」を指定できます。
少しずつではありますが、金融機関もLGBTの方々の利便性をよくする動きが出てきています。しかし、まだまだ制約が多いのは事実です。そして個人の意識自体を変わっていくことも必要でしょうね。