はじめに

10月1日の消費増税を前に、キャッシュレスを使い始めようという人が増えています。しかし、スマートフォンで簡単に決済できるモバイル決済は、便利な反面、スマホを紛失したり、不正利用されたりした時の不安が付きまといます。

いざ不正利用があった時、各社はどのように対応してくれるのでしょうか。9月19日現在の状況を、主要なスマホ決済サービスの運営事業者に取材しました。


PayPayは「原則全額補償」を表明

ソフトバンクとヤフーが出資するPayPayは8月末、不正利用された場合の補償制度を利用規約に明記しました。内容は、PayPayを使って決済、チャージ、送金などした時、アカウントや銀行口座情報、クレジットカード番号などが不正利用されるなどした場合は、原則として同社が被害額の全額を補償する、というものです。

さらに、PayPayを使っていなくても、他で流出した銀行口座などを使ってアカウントを不正に作られ、使用された場合でも、全額補償と明記しました。加盟店に対しても、悪意ある第三者によって不正取引が行われた場合、原則として同社が取引金額全額を負担し、被害者への補償も対応するとしました。

PayPay

PayPayでは、昨年12月の「100億円あげちゃうキャンペーン」で、他人のクレジットカードを使用した不正利用が発生。その後、本人確認の厳格化などセキュリティを強化し、不正利用対策を続けてきました。

その結果、不正利用の件数は、昨年12月時点では総決済件数の0.996%でしたが、5月には0.004%にまで減ったといいます。同社の広報担当者は「それでも不正利用はゼロではありません。より安心して使ってもらうために、補償内容を明確化し、利用規約に盛り込みました。電話対応の窓口は24時間・365日対応です」と強調します。

メルペイは警察への届け出が必要

その他のサービスはどのような対策を取っているのでしょうか。フリマアプリ大手「メルカリ」の傘下で、「あと払い」など独自のサービスを展開するメルペイは、8月に利用規約を変更。不正利用に対する補償について明記しました。

「不正利用がユーザーの故意、過失によらず生じたこと」「ユーザーがメルカリと警察に届け出、申告を行うこと」などを条件とし、ユーザーは不正利用で生じた損害額をメルカリに請求できる、とする内容です。

メルペイ

同社の広報担当者は「サービス開始当初から、不正事案へは個別に補償対応をしてきましたが、より安心して使ってもらうために、利用規約に明記することにしました。今後もセキュリティ対策を強化し、不正な取引について厳しく取り締まりを行い、安全・安心にご利用頂ける環境を整えていきます」としています。

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