はじめに
ホテル活況が叫ばれて久しいですが、特に広がりを見せているカテゴリーがビジネスホテル。多くのブランドが顧客獲得のためにしのぎを削っています。あまたある中で人気ブランドとして名高いのが『ドーミーイン』で、顧客満足度調査においても1位になりました(日本生産性本部2019年度日本版顧客満足度指数(JCSI)調査)。
ドーミーインは全国区のビジネスホテルですが、いくつかのブランドで構成されています。中でも最近密かな人気となっているのが、和風ビジネスホテルともいえる新ブランド「御宿 野乃(おんやど のの)」です。そもそも天然温泉大浴場の充実度でも知られるホテルブランドですが、いったいどのようなコンセプトなのか、取材レポートをお届けします。
ドーミーインといえば天然温泉大浴場
他のビジネスホテルブランドにないドーミーインの特色として、“天然温泉大浴場”の充実度の高さがまず挙げられます。「大浴場で選ばれるビジネスホテル」ともいえるでしょう。“ビジネス”ホテルという名のとおり、今も昔も出張族が主たるターゲットといわれていますが、やはり仕事疲れの体には大浴場は嬉しい設備。
また、昨今観光での利用率も上がっているビジネスホテルですが、大浴場は旅の疲れを癒やすのにも魅力的でしょう。それが天然温泉であれば旅の気分も盛り上がります。“ビジネスホテルで天然温泉”はひとつのスタンダードとなりつつあります。もちろん、ドーミーイン以外でもそうしたビジネスホテルはありますが、全国規模でここまで徹底しているブランドはドーミーインをおいてほかに見当たりません。
ドーミーインの運営会社はもともと寮を運営する会社でした。社員寮の入居者から出張先でも寮みたいなホテルがほしいという要望があり、1993年にビジネスホテルへ進出。寮に大浴場があったことから当初からホテルにも大浴場を設けました。加えて天然温泉に着目、いまのドーミーインの礎となりました。
ドーミーインの5ブランド
いまでは各地に展開するドーミーインですが、実は5つのブランドがあります。
まずは、以下3つがベーシックブランドです。
●ドーミーイン・・・寮事業のノウハウから続く我が家のような寛ぎと快適性を提供するベーシックブランド
●ドーミーインPREMIUM・・・観光ニーズの多様化にも対応できるようツインや和洋室なども充実したドーミーインのハイエンドブランド
●ドーミーインEXPRESS・・・日帰り入浴、デイユースなどにも対応した新サービス重視のブランド
また、次の2つも、ドーミーインブランドにカテゴライズされます。
●御宿 野乃・・・ビジネスホテルと旅館の融合をイメージした全館畳敷きで和風テイストのドーミーイン
●グローバルキャビン・・・カプセルホテルの合理性とドーミーインの快適性を両立させたキャビンタイプホテル