はじめに
実家で「かかったつもり」の予行演習を
今は、住居費・水道光熱費・食費の3支出は、親御さんへの6万円で賄えています。引っ越し後はこの6万円がそのまま住居費になり、さらに、水道光熱費と食費、日用品で5万円はかかると考えておきましょう。
仮に追加支出が5万円とすると、現在の1ヵ月の支出約15万円が、引っ越し後は約21万円になります。今のうちから、プラス5万円「かかったつもり」で予行演習をしてみてください。
また、お金のことを中心に考えがちですが、親子二人暮らしになると、お金の負担だけでなく、労力の負担も増加します。食事や掃除、洗濯などの家事負担が増えるストレスもあるかもしれません。親御さんとの距離によっては、お子さんが病気の時の病児保育やシッター代などが必要になるかもしれません。すべてを完璧にせず、お総菜などのお金で買えるサービスは利用する、という割り切りも持つようにしてくださいね。
万が一養育費の不払いに困った時は…
「養育費がずっともらえるとは思っていない」という覚悟は、家計管理においては重要です。
平成28年度「全国ひとり親世帯等調査結果」を見ても、養育費の取り決めをしている人は約43%、養育費を受け取っている人は約24%です。つまり、4人に1人しか養育費が受け取れていないのが実態なのです。
養育費が支払われず、相手に請求をしたいと思ったら、現在の法律では、ご相談者さんが自分で元夫の住所や勤務先、金融機関の支店名などを調べて、差し押さえの請求をする必要があります。しかし現実的に、これは労力とお金がかかり、負担が大きすぎます。
そこで予定されているのが、2020年4月の法改正です。ご相談者さんは公正証書で養育費の取り決めをされていますから、将来、養育費の不払いが発生した時には、地方裁判所に申し立てをすると、裁判所が金融機関や市区町村、年金事務所などに情報提供を命令してくれます。つまり、もしもの時の負担が軽減されるようになるのです。
また、自治体によっては、養育費の不払いに悩むひとり親が支援を申し込むと、自治体と提携した保証会社が不払い分を立て替え、保証会社が不払いの親に請求するサポートなども誕生しています。
自分達だけでがんばらず、困った時には、国や自治体のサポート、相談窓口なども利用しながら、安心して生活できるように準備してくださいね。
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