はじめに

古今東西、男性の美容上の悩みで筆頭に挙げられるのが、頭髪周りのトラブルです。特に薄毛はデリケートな問題ゆえ、なかなか人に相談することが難しいもの。

頼りのウェブの情報も玉石混淆。正しいものもあれば、根拠のない民間伝承や怪しげなおまじないに近いものまであり、どれを信じてよいのかわかりません。そこで、今回はヘアケアの基本を取り上げましょう。


まずはお湯で予洗いから

頭にザブンとお湯をかけ、頭皮にいきなりシャンプーをすり込むというのは男性によく見られる方法です。でも、それ間違っています。

まず、頭皮と髪が満遍なくぬれるまで、シャワーで丁寧に流します。最低でも1分間、理想は3分間ほど何もつけずに流すこと。これを「予洗い」といい、とても大切なステップです。髪の長い方は、予洗いの前の乾いた状態で、ほつれをとるためにも軽くブラッシングするのも効果的です。

髪と頭皮の汚れは、皮脂や汗とともに、屋外などで付着したホコリや目に見えない小さな物質が原因です。最近では、微小粒子状物質(PM2.5)などの汚染物質が問題になっています。

まずは予洗いで、大きめのホコリなどを流します。シャワーのリズミカルな刺激とお湯によって、頭皮の毛穴を開かせ、緩めるという効果もあります。

シャンプーは3段階

大きなホコリやジェルなど水溶性スタイリング剤を落とせたら、ようやくシャンプーの出番。適量を一度、手のひらに出してぬるま湯と混ぜ、髪全体に行き渡るようになじませます。頭皮に直接つけると不均一になり、その部分だけ刺激が強すぎてしまいます。頭皮へのダメージをできるだけ少なくするために、必要な作業です。

最初に洗い始めるのは後頭部です。皮脂がたまりやすく、ニオイの温床ともなりがちな部位です。そして、脱毛リスクが比較的低いので、ここでしっかりと泡立て、その泡を全体に行き渡らせるようにしましょう。

洗い方のコツは、指の腹を使うこと。決して爪を立ててはいけません。指を熊手のように開き、頭皮や髪をこすらずに頭皮をつかんで頭蓋骨から剥がすようなイメージ。摩擦ではなく、もみ出すようにします。

次に側頭部へと移ります。モミアゲの下から頭頂部のほうに向かって、引き上げるのを意識しつつ洗いましょう。下に向けると顔のたるみにつながるので、要注意。こめかみに指を置いて軽く指圧するのも気持ちいいです。

そして最後に、頭頂部と前頭部。ここは脱毛リスクが高いデリケートゾーンです。指の腹で小刻みに頭皮を揺らして洗います。ジグザグを描くようにすると、満遍なく洗えます。毛穴の奥の汚れまでしっかりと押し出すイメージで、優しく、でもきちんと洗いましょう。

すすぎは3倍の時間をかけて

すすぎは、洗う時の3倍くらいの時間をかけて、丁寧に行いましょう。貯め水をザブっとかけて終わり、というのではダメです。ぬるつきがなくなるまで、しっかりとシャワーで落とします。シャンプーが残っていると、頭皮のトラブルにつながります。

髪の短い男性でも、コンディショナーやトリートメントを使いましょう。肌と同じで、乾燥はトラブルの元。特に髪が短いとプロテクトの役目が十分にできず、頭皮が日差しや大気汚染物質に無防備にさらされます。

頭皮も髪も日焼けしますし、乾燥もします。最近は頭皮に塗布して乾燥から守るコンディショナーなども出ていますので、ぜひそういうものを選んでください。

コンディショナーをなじませ、やはり丁寧にすすいだら次はタオルドライです。タオルで拭くときにも注意が必要で、髪同士をこすり合わせるのは厳禁。濡れた髪は傷みやすいので、こすると切れ毛やゴワつきの元になります。

ドライは、洗い立ての清潔なタオルで包んで水を吸わせるだけでOK。育毛剤やスカルプ用の美容液などアウトバスを使うなら、このタイミングでなじませ、できるだけ早くドライヤーで乾かします。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介