10月1日、いよいよ消費税の税率が10%に上がり、その負担軽減策として、酒類以外の食品・飲料に対する軽減税率がスタートします。一部の生活必需品に対して税率を8%のまま据え置き、生活への負担を軽くするというのが制度の趣旨です。

ところがこの制度、理解しようと思うと、かなりややこしい難物。軽減税率の考え方を知り、消費増税を賢く乗り切るコツを、楽天市場でトレンドハンターを務める清水淳さんに3回に分けて解説してもらいます。


みりん vs みりん風調味料

今回の消費増税で、私たちが初めて直面するのが軽減税率。対象は「酒類を除く飲食料品」と「新聞」です。第1回は、主にスーパーで日常的に買う食品・飲料について解説します。

まず戸惑うのは、似たような用途の商品でも、軽減税率が適用されるものとされないものに分かれることです。たとえば、日々の料理に欠かせない「本みりん」は消費税率10%、「みりん風調味料」は8%になります。

本みりんは、もち米、米麹、醸造アルコールなどを原料とし、アルコール度数は14%程度のものが一般的。食品表示法上は酒類に分類され、酒税がかかります。酒類は軽減税率の対象外のため、税率が10%になってしまうというわけです。これは料理酒や料理用ワインなども同様です。

みりん
料理に欠かせないみりん

一方、本みりんより安価なみりん風調味料は、ブドウ糖や水あめなどの糖類、うま味調味料、香料などから作られ、アルコール分はほとんど含まれません。このため、税率は8%のまま据え置きとなります。

リポビタンD vs オロナミンC

次に注意したいのは、栄養ドリンクとエナジードリンクの税率です。

たとえば、疲労回復などに効果があるとされる大正製薬の「リポビタンD」は、指定医薬部外品で、食品ではないので、税率は10%に上がります。一方で、大塚製薬の「オロナミンC」は「炭酸栄養ドリンク」と謳っているものの、法律上は清涼飲料水なので、税率は8%のままです。

また、「トクホ」と呼ばれる特定保健用食品は、食品表示法上はあくまで食品なので、軽減税率の対象。サプリメントや健康食品なども「医薬品」には当てはまらないので、8%のまま据え置きとなります。

トレンドハンターの清水さんは「消費者がかわいそうになるくらい、かなりややこしい制度です。1つ1つ商品表示を見るしかありません」と嘆きます。

プロ野球チップス vs ビックリマンチョコ

スーパーで子どもが欲しがるおまけ付きお菓子も、税率8%と10%が混在しそうです。国税庁の指針によると、おまけ付きお菓子は「一体資産」とされ、税抜き価格が1万円以下で、食品部分の価格が3分の2以上の場合にのみ、軽減税率の対象とされています。

この指針が適用された結果、カルビーの「プロ野球チップス」は消費税率が10%に引き上げられますが、ロッテの「ビックリマンチョコ」は8%に据え置かれます。「一体資産」は基準がかなりあいまいで、特に駄菓子などでは、軽減税率の対象かどうか判断が難しいものが多く見られます。

清水さんによると、「中に入っているシールやカードの価値がどう見なされるかで、税率が変わってきます。よくわからないものは1つ1つ税務署に問い合わせるしかなく、自営の小売店などはかなり困っています」とのこと。最終的には、自分の財布は自分で守る、という結論になりそうです。