はじめに
教育費を加味した上で、繰り上げ返済に回していいお金はいくら?
例のように、お子様が公立小学校から私大文系に進学した場合の教育費は、二人分で約1500万円です。
相談者様の現在の預貯金額は1000万円(投資分含まず)。毎月18万円貯められていますので、この状態をキープしていけたなら、下のお子様が大学を卒業する12年後までに預貯金はプラス2592万円の、3592万円となります。
下の子が大学卒業するまであと12年
年間の貯蓄額216万円×12年=2592万円
現預貯金額1000万円+2592万円=3592万円
単純計算では、預貯金のみで子供の学費を支払うことができる計算です。
しかしながら、これはあくまでも例のように進学し、かつ突発的な出来事等は何も加味されていない状態です。人生はどのようなことが起こるのか、誰にも分かりません。
試算上では手元の預貯金を全額繰り上げ返済に回しても問題はないのですが、1000万円すべてを返済に回すのはリスクが伴います。生命保険には加入しているようですが、万一を想定して世帯月収の6ヵ月分は手元に置いておくようにしましょう。
相談者様の場合、毎月の手取り額54万円×6ヵ月=324万円なのですが、毎月の支出額は36万円×6ヵ月=216万円となっています。支出が抑えられているので、毎月の手取り額6ヵ月分よりもすこし少ない300万円を手元に残し、700万円を繰り上げ返済に回すというプランをご提案させていただきたいと思います。
いつ返済する?手数料の確認を忘れずに
ご存知かと思いますが、繰り上げ返済は早いほど効果があります。700万円と提案させていただいていますが、不安であればもう少し減らして返済しても構いませんが、住宅ローン控除との兼ね合いも考えた上で、できるだけ早いタイミングで返済することをおすすめします。
不安を感じると、まとまったお金があるにもかかわらず、様子を見ながら何回かに分けて繰り上げ返済する人がいます。繰り上げ返済をする場合に手数料がかかるような場合には、分ければ分けるほど、本来享受できる繰り上げ返済のメリットが薄れてしまいます。手数料の有無は、あらかじめ確認しておきましょう。
ライフプランは定期的に見直しを
ライフプランを一度立てると、それに安心してしまいそのままになってしまう人が多く見られます。ぜひ、定期的に見直しをして、プランに無理がないか? 無駄なことがないか? 確認してください。
相談者様の場合、お子様がまだ小学生と中学生ですので、家族旅行についても計画を立ておき、そのための費用を準備しておくことお忘れなく。相談の支出内容からは読み取れなかったのですが、加入している生命保険も定期的に見直すことをおすすめします。
住宅ローンを組んでいる場合、同時に団体信用生命保険に加入しているかと思います。住宅ローン残高と生命保険金は連動しています。他に加入している保険金額は適正かどうか、見直しましょう。
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。