はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、27歳の時に思い切ってマンションを購入したという30代の未婚女性。住宅ローンの返済が苦しく、貯金ができないといいます。家計再生コンサルタントの横山光昭氏が運営する『マイエフピー』のFPがお答えします。
購入時は「結婚するときに売ってしまえばいいか」と考えていましたが、30歳を超えた今も結婚する予定はなく、このまま住み続けるのかなと思っています。婚活もしているのですが、なかなか良い出会いがありません。
この先ずっと住宅ローンの返済で苦しみ、お金を自由に使えない思いをするのはイヤだと思い、今は金利が低いようなので、借り換えなどを考えてもいいのかなと思っています。上手くやりくりでき、貯蓄ができるようになる策を教えていただきたいです。
〈相談者プロフィール〉
・女性、32歳、未婚
・職業:会社員
・毎月の手取り金額:20.6万円
・年間の手取りボーナス額:70万円
・貯蓄:ほぼ0円
・借入額:約2060万円(住宅ローン)
【支出の内訳(20.5万円)】
・住居費:8.2万円(うち1.1万円が管理費・修繕積立金)
・食費:6万円(外食代含む)
・水道光熱費:0.8万円
・交通費:0.5万円
・通信費:0.2万円
・交際費:1万円
・被服・美容費:2.3万円
・習い事:1万円
・その他:0.5万円
FP: ご相談ありがとうございます。マイエフピーのファイナンシャルプランナーの関口です。
住宅ローンの返済額が収入の4割ほどを占めているので、これでは生活が圧迫されても無理がないかもしれません。今、何ができるのか、一緒に考えてみましょう。
借り換えをした方がいい人の条件
ここ数年、住宅ローン金利は非常に低い状況になっています。そのため今よりも高い金利で住宅ローンを組んだ人の中には借り換えの検討をする人もいます。
では、住宅ローンの借り換えをして効果がある条件とは、どのようなものでしょうか。一般的には、以下のように言われています。
・借り入れ期間が10年以上残っている
・借入残高が1000万円以上残っている
・借り換え後の金利差が1%以上ある
この3つです。最近は各銀行が借り換えに伴う手数料を下げていることもあり、金利差が0.5%程であっても、借り換えで効果が出るというケースも多くなっています。
相談者さんの場合、返済額から推測すると、住宅ローン金利は1.5%程かと思います。それでも当時は安い金利だったのでしょうが、今ではもう少し安い金利のものがありそうです。
では、実際に金利の安い住宅ローンに借り換えたとしてみましょう。
もし、金利が安く設定されている全期間変動金利のローンで考えた場合、ネット銀行などの金利では0.5%強ほどと、安いケースがあります。
仮に、今の住宅ローン残高2060万円ほどを借り換えたとすると、0.53%程の金利で借りた場合、今よりも返済額が月1万円ほど減額できる見込みです。借り換えに伴う手数料は50~60万円かかる見込みで、これを返済額に含められるのか、一括で支払うのかにより異なってくると思いますが、返済総額でみると250万円以上の支出削減になりそうです。
インターネットのシミュレーションサイトで、実際にご自分の条件を当てはめ、借り換え後の条件を入れたものと比較してみると、その効果が具体的にわかると思います。効果があると納得できたら、銀行で相談してみましょう。