はじめに
思いの外、リーズナブルで大型バイク生活が
足がキッチリ着けるとなると俄然、やる気が増してきます。早速、クラッチを握り、エンジンスターターボタンを押すと大排気量2気筒エンジン特有の振動とエンジン音を伴ってエンジンが目覚めます。アクセルを1回煽ってみると、ドッドッドッドッっと生き物の心臓の鼓動のように、回転を軽やかに上昇させていきます。なんとも言えないエンジンの感覚や普遍性が今も多くの人々に愛され、まさにトライアンフの世界観の根幹をなしていると言っていいでしょう。この感覚は国産のカワサキW1やヤマハXS650など、ツインエンジンの魅力的なモデルを知っている世代にとっては、何とも懐かしい感じですが、このストリートツインは正真正銘の現代のバイク。
見た目こそクラシカルですがエンジンは大幅な進化を遂げて、最新のスペックとなっています。
おまけにビンテージ感を演出したデザインが与えられ「モダンクラシカル」と呼ばれるカテゴリーに入る1台ですから、ガチガチのライダー・ファッションでなくても許される感覚があります。峠を駆け抜けるスーパースポーツやツアラーとなると、着るものをレーサー風にするなどけっこうハードルも高い上に、少しばかり気恥ずかしさも正直あります。おまけにライディングのスキルもそこまで高くありませんから、普段着感覚のファッションで乗れるストリートツインが選択肢として浮上してくるわけです。
もちろんインナーにはプロテクター、専用のブーツやグローブは必須ですが、全体とすれば普段着ファッションで乗りこなすことができ、その意味では自由度が高いわけです。ネオクラシックといったブームも確かに支えとなっているのですが、肩肘張らずに乗れることは嬉しい要素となります。当然ですがトライアンフのラインナップにはカウルを備え、並列3気筒エンジンを積むスポーツバイクとか、大陸横断もこなせるほどのアドベンチャーモデルなど色々な選択も可能ですが、リターンライダーが“さりげなく、乗りやすい”をテーマに選ぶとなると、ストリートツインが最右翼に来るのです。おまけに価格だって105万600円(ジェットブラック)と驚くほどの高額車ではありません。