生活

「消費のルール」に縛られない10代、個人間取引の利用率は40代の2.5倍以上

‟買わずに使う”新たな消費

生活者の新しい消費観・消費行動を解説する連載の第3回。昨今、個人間取引や所有せずに定額で利用できるサブスクリプションなど、消費周りの新しいサービスが次々と登場しています。では、これらのサービスはどの程度広がっているのでしょうか。

今年5月に実施した「消費1万人調査」のなかで、「現在利用している」と回答した人と、「今後利用したい」と回答した人の割合をそれぞれ見てみましょう。


サブスクの男性、フリマアプリの女性

まず男女比較をみてみます。男性では、「音楽や動画などのサブスクリプションサービス」の現在の利用率が16.6%(女性10.9%)、今後の利用意向が24.7%(女性19.8%)と、どちらも女性よりも高くなっています。また、「ものやスペースのサブスクリプションサービス」についても、全体的にスコアはまだ低いものの、男性のほうが現在の利用率・今後の利用意向ともに高くなりました(現在の利用率:男性1.5%・女性0.6%、今後の利用意向:男性7.4%・女性5.5%)。「いつでもどこでも買える」といった便利さへの関心が高い男性(連載第1回)にとって、金額を気にせず必要な時にいつでも利用できる「借り放題」「使い放題」のサブスクリプションは好意的に受け止められているのではないでしょうか。

なお女性は、「フリマアプリ(購入)(出品・販売)」の現在の利用率が男性より5ポイント以上高く(購入:男性19.0%・女性25.4%、出品・販売:男性14.8%・女性21.7%)、今後の利用意向についても同様です(購入:男性30.2%・女性35.3%、出品・販売:男性29.1%・女性35.8%)。

連載第1回で女性はお得さへの感度が高いという話に触れましたが、生活者の生声でも「リアル店舗やECサイトにはない掘り出し物を見つけるのが楽しい」「値切って安く買えると嬉しくなる」といった声があり、単なる「お買い得」を超えた価値や楽しみを見出している人も少なくないようです。

年代差の大きい、個人間取引とサブスク

続いて年代別の結果をみてみましょう。図で赤く示しているところは「全体より5ポイント以上高い」項目、青く示しているところが「全体より5ポイント以上低い」項目です。「地域の不要品売買を募集できるウェブサービス(購入)(販売)」は、幅広い年代で利用意向が現在の利用率を10ポイント以上上回りました。そのほかの項目については、多くの項目で若い層ほど値が高いという傾向が共通しています。
 
「フリマアプリ(購入)(出品・販売)」は、10~30代で利用率・利用意向ともに高いですが、特に10代の利用意向は購入、出品・販売ともに過半数となりました(購入:58.6%、出品・販売:55.9%)。10代はほかにも、「SNSを通じた個人からの購入・個人への販売」においても利用意向が20代以上より5ポイント以上高くなっています。

また、「音楽や動画などのサブスクリプションサービス」についても10~20代ではすでに2割以上の人が利用しています。全体でみればまだ少ないものの、今後の利用意向は4割弱となっており、今後利用が広がっていくと予想されます。

若年層が切り拓く、新しい消費行動

調査結果からは10~20代の若年層、特に10代は、フリマアプリやSNSを通じた個人間取引やサブスクリプションへの感度が高いことがわかりました。物心ついた頃からスマートフォンやSNSを通じたやりとりに慣れ親しんできたことで、「リアル店舗で買わなければいけない」「企業から買わなければいけない」といった消費観の縛りや、サブスクリプションのような「買わずに使う(借りる)」消費への抵抗感が少ないのではないでしょうか。

インタビューをしたある20代女性は、リサイクルショップやフリマアプリで売り買いすることにはまったく抵抗がなく、良いと思ったものは中古であっても気にせずに買っているそうです。また別の20代女性も、ものをできるだけ所有したくないので、気軽に変えられる状態にしておくためにサブスクリプションを多用しているといいます。

連載第4回以降は、こうした個人間取引やサブスクリプションを利用して新しい消費行動を行っている人にフォーカスを当て、消費の実態とその背景について詳しく見ていきたいと思います。

【調査概要】
・消費1万人調査
調査地域:全国
調査手法:インターネット調査
調査対象:15~69歳の男女10,000人(国勢調査に基づき性年代・エリアの人口構成比で割付)
調査期間:2019年5月28日~6月1日

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