はじめに

老後資金よりも教育資金の準備を優先

ドル建て変動型年金は、利回りだけを考えていくと選択肢の一つと言えますが、相談者様の場合、老後資金を貯めるというよりも、まずは子どもの教育費の準備をすることが優先です。

もちろん個人の考え、資産状況にもよりますが、お金を貯める順番としては、教育費および住宅購入資金をはじめに。子どもの教育費の支出が落ち着いてきてから老後資金の準備に取り掛かる方が、効率よくお金が循環していきます。

現在、日本で働き日本円で収入を得ているのなら、年金型の保険よりも、日本で販売されている学資保険を検討することも考えてみてください。その際には海外の金融商品とも比較し、より条件の良い運用先を選んでいきましょう。

国際結婚に多い「急遽帰国の事態」、回避するために話し合いを

相談者様の家庭で最も大切なことは、今後どのように生活していくのかを決めていくことです。

ご主人は日本の永住権を未取得とのことですし、これからどうするのか未定なことが多いかと思います。まずは子供の教育や双方のご両親の介護などを考えて、どこでどのように暮らすのかを夫婦で話し合うことから始めてください。

実のところ、国際結婚されている多くのご夫婦が、急遽、夫もしくは妻の国へ帰国せざるを得ないケースを相談現場で目にしてきました。このようなご夫婦の場合の多くが、介護など、あらかじめ想定できたことを後回しにしてきた結果、急な対応を迫られることになっています。

相談者様はまだ若く、お子さんもまだ幼いので、プランは描きやすいのではないでしょうか? キャリアプランとともに、検討してみてください。

永住権のない外国籍の夫、住宅ローンは組める?

日本に暮す外国人の多くの方が、賃貸派です。日本人からすると、「もったいない」という観点からマイホーム購入を勧める人が多く見受けられますが、ライフスタイルは人それぞれです。日本で暮らしていける、生きたいと思うのなら、日本でマイホームの購入を検討しても良いでしょう。

また、必ずしも永住権がないからといって、外国人の夫が住宅ローンを借りられないわけではありません。若干、金利は高くなってしまいますが、何社か対応していますし、相談者様との共有名義にする等、方法はいくつかありますよ。

夫の死亡保障には加入を、ただし保険のみで分散するのはNG

家計の内訳を見ていくと、無駄遣いすることなく堅実な様子がうかがえます。

そして、ここで気になるのが保険料のこと。おそらく保障を厚くしたいとプランナーさんへアクセスしたのかと思いますが、万一に備えて、夫の死亡保障はつけておくと安心ですね。

死亡保障の目安は、万一のことが起こった時に家族が困らないためのものです。今後、学資保険に加入するのなら、その分の金額を差し引いて保障額を決めていくと良いでしょう。相談者様は働いていますし、学資保険に加入済みとして考えていくと、大まかな目安としては、1500万円~2000万円くらいでOKです。もちろん、定期的な見直しも行ってくださいね。

これから教育費は、どんどん増えていきます。進学するタイミングをずらすことはできませんので、できるだけ元本保証の金融商品で運用することをお勧めします。

プランナーの方がおっしゃるように分散させて運用することは大切ですが、保険と貯蓄は別です。保険のみで分散するのは危険ですので注意してください。

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