はじめに

来年の東京オリンピック開催に向けて、都民の間で計画されている「東京脱出」。大量の観光客が押し寄せる開催期間中に、都外へ旅行する動きが広がっているようです。

楽天の運営する旅行予約サービス「楽天トラベル」の調査で、東京都から都外への予約人泊数(予約人数×泊数)が、昨年同時期の倍以上に増加していることが明らかになりました。

都民の「脱出先」として人気1位は夏の定番である沖縄県。しかし、2位にランクインしたのは北海道ではなく意外な県でした。


予約人泊数が昨年の約2.4倍

「楽天 ヒット番付2019」の発表内で、来年のトレンド予想注目株として取り上げられていた「裏スポーツ特需」。これは東京オリンピックの開催期間中に、間接的に流行すると同社が予測しているものです。

その中でもひときわ目を引くキーワードが「東京脱出」。楽天市場トレンドハンター清水淳さんは「あえて混雑を避けて都外へと旅行へ行く都民が、今後さらに増えていく」と予測しています。政府はオリンピック前後にある祝日を開会式、閉会式週へ移動させることをすでに決定。この特別措置により、開会式週は4連休、閉会式週は3連休となります。

裏スポーツ特需

「前回のロンドンオリンピック同様に、都外への旅行予約の傾向は早い段階から顕著に表れている」と語るのは楽天の広報担当者です。

楽天トラベルの調査によると、同サービス登録宿泊施設を対象に、オリンピック期間(宿泊期間:2020年7月22日~8月9日)の東京都から都外への、予約人泊数を集計した結果、昨年同時期と比較して約2.4倍まで増加しています。集計日は9月19日。

千葉県が北海道を抑えて2位

同調査で人気の都道府県トップ5をランキングにすると、沖縄県、千葉県、北海道、栃木県、静岡県という順になっています。定番の観光地である北海道より上にランクインした千葉県は、なぜ都民の「脱出先」に選ばれたのでしょうか。

「テーマパークがある舞浜エリアを中心に、通年人気な県のひとつである」ことに加え、2つの要因があると広報担当者は説明します。

1つ目が「都内からの好アクセス」。オリンピック期間中は首都高速道路の料金が、日中は1,000円上乗せされることが決まっていますが、千葉県は鉄道でもすぐにアクセスが可能。そのことから、都民が手軽な旅行先として検討する要因となっているようです。

2つ目が「九十九里の海沿いエリア」の存在です。夏はファミリーを中心に賑わうエリアで、海水浴場などを目的とした、子ども連れの旅行先として選ばれています。オリンピック期間は子どもの長期休みとも重なるため、脱出先として人気を集めているようです。

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