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株式相場は「年末ラリー」に突入?日本株も流れに乗れるか

足元の世界株高の“寿命”を探る

11月に入ってからの世界の株式市場では、リスクオン・ムードの高まりとともに、良好な相場の地合いが実現しています。とりわけ米国では、NYダウ平均とS&P500、さらにナスダック総合指数がそろって最高値を更新するなど、好調そのものです。

年末にかけて株高になりやすい傾向を指して「年末ラリー」と呼びますが、世界の株式市場はこのまま年末ラリーに突入するのでしょうか。そして、その流れは日本株市場にもやって来るのでしょうか。


米国をめぐる2つのポジティブ材料

足元の世界的な株高の背景にあるのは、米中貿易協議の進展期待と解釈されます。10月の米中閣僚級会合で「部分合意」に道筋をつけた両国は、最終決着に向けた準備を急いでいます。

11月のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議は開催が見送られることとなりましたが、両国は遅くとも年内の最終合意に前向きな姿勢を示しています。よほど意見が対立し、双方の合意が破綻しない限りは、多少の遅れも問題視する必要はないとみています。

米国の金融緩和政策も、株価の上昇に大きく寄与していると考えられます。10月29~30日の2日間で開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利の0.25%の引き下げが決定されました(新しい金利誘導目標は1.50~1.75%)。

政策金利と10年債利回り

米国の利下げは今年7月と9月のFOMCに続き、3会合連続です。一連の利下げは、米中貿易摩擦の長期化による世界的な景気のスローダウンに加え、物価の伸び悩みが米国経済に悪影響をもたらすことを未然に防ぐための「予防的利下げ」と位置付けられています。

予防的利下げを市場はどう消化したのか

その反面、足元の米国景気は堅調に推移し、株価は史上最高値を更新するなど、米国を取り巻く環境はいたって良好です。そうした中で行う利下げの正当性と継続性が、10月のFOMCでの1つの焦点となりました。

記者会見の場でFRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長によって示されたのは、今後は必要に迫られれば利下げを実施する、というような様子見姿勢でしたが、市場は状況次第で再び利下げがあり得る点を好感し、安心感を高めたもようです。

この先の米国の金融政策では利下げ休止が既定路線ですが、本来なら必要のない措置を続け、必要以上に実体経済や株式市場を過熱させることは必ずしも好ましくありません。いずれ本当の意味での利下げが必要となった時に、その余地を狭めてしまうリスクを考えるとなおさらです。

こうした観点からすれば、今回、米国の金融当局が取ったアクションは正当化されるものでしょうし、適切であったと評価できます。

今後、次第にファンダメンタルズの回復、ひいてはその前提となる米中貿易協議の決着という点に焦点が移っていく中で、十分に低い金利環境は景気拡大の妨げにはならないでしょう。そこに米中貿易摩擦の収束という材料が加わることで、市場のセンチメントはさらなる改善をみせることが予想されます。

急ピッチな株価上昇と最高値更新によって、目先はやや上値の重い展開も想定されますが、年末に向けた株高のシナリオは、以前にも増して実現可能性を高めているように思われます。

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