はじめに

反撃に出る

あまりに強引なので、私は、反撃に出ました。

「このマニュアル5千円の価値ないですよ!」

相手は一瞬、驚いたようでしたが、手慣れたもので「それは、弊社に対する悪口です」と切り返します。「悪口ではありません。一体、どういう方法で稼ぐんですか? そういうのが、マニュアルに書いてあると思って、5千円で買っているわけですよ。でも書いていない!」

「だから、電話で説明している……」。しかし、言葉を遮って「全然、していないじゃないですか。電話で契約をさせるために、5千円でマニュアルを買わせているようにしか、思えない」。

「こちらは、ちゃんとした会社ですから(そんなことはありませんよ)」
「ほう、ちゃんとした会社なのですね。では、住所はどちらですか?」
「HPに書いてありますよ。東京都〇〇区〇〇です。」
「本当に、そこにあるんですね」
「はい」
「実は、事前にその場所に行って調べていますが、会社の場所は、ただの単身用のアパートですよね。今、行けば、(あなたは、そこに)いるんですね」
「はい」
「会社の人は、(みんな、そこに)いるんですね」
「15人いますよ」
「いるわけないでしょう」
「本当の事務所の場所をちゃんといいましょうよ」

すると、「携帯電話の電波が悪いようで……」と言い出します。「そういったごまかししないの!」と一喝するも、ガチャリ、と電話は切れました。

当然、私は許しません。間髪入れずに再び電話をかけます。

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