はじめに
令和元年も残すところ、あと1ヵ月半になりました。11月下旬には、大晦日に行われるNHK紅白歌合戦の出場歌手も発表される予定です。
今年の司会は白組が「嵐」の櫻井翔さん、紅組が綾瀬はるかさんとすでに発表されているので、嵐の11年連続11回目の出場は確実でしょう。ところで、景気と嵐の関係をみると、嵐が出場している10回の年末はすべて景気拡張局面という不思議な関係があります。
嵐の動向がもたらすインパクト
天皇陛下のご即位に伴う11月10日の「祝賀御列の儀」の前日9日に、即位を祝う「国民祭典」が皇居前広場で開催されました。第2部の「祝賀式典」では、天皇皇后両陛下が二重橋から見守られる中、ご即位を祝って作られた奉祝組曲「Ray of Water」が披露されました。
第1楽章「海神」はオーケストラ演奏、第2楽章「虹の子ども」ではピアニスト・辻井伸行さん中心の演奏、そして第3楽章「Journey to Harmony」では嵐が子どもたちをバックに歌を披露しました。
「君が笑えば世界は輝く」で始まり、「大丈夫、○○○○○」を繰り返して終わる、嵐の歌を聴きながら、雅子さまが涙されたのが印象的でした。嵐の歌は両陛下をはじめ、多くの人に感動を与えたようです。
嵐は2020年末までで活動休止となりますが、最近では奉祝曲の歌唱をはじめ、ラグビーワールドカップ日本テレビのテーマソング「BRAVE」を歌っています(70万枚を超え、自身4番目の売上げ枚数を記録)。11月3日にはSNSをジャニーズで初めて全面解禁し、翌4日夜にはインスタグラムのフォロワー数が200万人を突破したと話題になりました。
また、嵐が12月21日に開催される新しい国立競技場のオープニングイベントに「DREAMS COME TRUE」とともに出演することが、11月11日に明らかになりました。来年5月15、16日には、新国立競技場の完成後初となる単独アーティスト公演を行うことも発表されています。こうした大きなイベントに嵐が出ることも、明るい話題として国民の関心を呼ぶことでしょう。
嵐と景気の関係を読み解く
冒頭でも触れたように、年末の紅白歌合戦では嵐の出場はほぼ確実でしょう。嵐は昨年まで紅白出場10回目中8回、グループ全体、あるいはメンバーの誰かがソロで白組の司会を務めています。
嵐が初出場した2009年以降、景気はおおむね拡張局面で、唯一の後退局面であった2012年も3月の景気の山の後に後退局面に入ったものの、11月には景気の谷をつけたので、大晦日は景気拡張局面になっていました。
現在、日本の景気は微妙な局面にあります。景気動向指数による機械的な基調判断は、8月に景気後退の可能性がある「悪化」に転じました。9月も、一致CIの前月差と同3ヵ月後方移動平均の前月差がともにプラスに転じたものの、「悪化」継続となってしまっています。
ただし、景気動向指数の悪化は外需の弱さにより生産関連データが落ち込んだことが主因で、内需は底堅さを保っています。また、早ければ年明けには「下げ止まり」に戻る可能性も皆無ではない状況です。
嵐が活動を休止する直前の最後の仕事は、2020年の紅白歌合戦可能性が大きそうです。彼らの紅白歌合戦出場と景気とのジンクスからは、2020年末まで内需は底堅さを維持し、嵐の活動が日本に元気をもたらし、景気は拡張局面が続く可能性があると言えるでしょう。