はじめに

「中古住宅を買ってリノベーションをやってみたいけれど、なかなか手が出せない」という声をよく聞きます。「そもそも新築が良いのか、中古が良いのかがわからない」「予算はいくらぐらいが適切かわからない」など、不安は尽きません。

それでも、新築マンションの価格上昇が続く昨今、「中古+リノベ」で家を探すことのメリットは小さくありません。買った後で後悔しないためにはどのような点に気をつければよいのか、中古マンションとリノベーション会社を選ぶ際の鉄則について考えてみます。


今や中古と新築の並行検討は当たり前

足元のマンション市況は、新築マンションの価格が上昇傾向にあります。不動産経済研究所のまとめによると、首都圏の平均価格はなんと6,000万円弱。東京23区では7,320万円と高騰しています(いずれも2018年)。

一方、中古マンションは、やはり新築マンションに追随する形で価格は上がっていますが、SUUMO掲載データをまとめると、首都圏平均では約3,800万円、東京23区では約5,300万円と、新築に比べるとまだ買いやすいといえます。

新築マンション平均価格

首都圏では長らく新築の供給戸数が圧倒的に多かったのですが、2016年に中古の成約戸数が新築の供給戸数よりも上回りました。リクルート住まいカンパニーの「住宅購入・建築検討者」調査(2018年度)でも、新築マンションを検討している人のうち、併せて中古マンションも並行検討している人が44.1%いるというデータもあり、中古マンションは昔に比べて一般的な選択肢になっています。

新築と中古、メリットで比較すると…

そもそも、新築のメリットは何でしょうか。真新しい建物、最新の設備、省エネ性能、防災性などに加え、保育園やショッピングセンター・病院の設置なども含め、広い範囲で「街と一体化した開発」が魅力、というところも大きなメリットだと思います。マンションでいうと、立地が気に入れば、どのタイプの住戸が良いか、「複数の住戸から選べること」も魅力です。

一方、中古のメリットで一番大きいものは、やはり新築と比べると価格が安いということでしょう。しかし、それと並んで注目したいのが、「物件数が豊富で選択肢が多い」という点です。

たとえば、「絶対にここに住みたい」と思うエリアがあったとします。新築だと必ずしも建築予定があるわけではありませんが、中古であればたくさんの物件の中から選べるというメリットがあります。

また、新築の場合はモデルルームを見て決めることが多いですが、中古であれば実際の建築物・部屋を見てから決めることができます。加えて、新築は契約をしてから建築されることが多いので購入してから2~3年後の入居となることもありますが、中古は基本的に契約後すぐに入居することが可能です。

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