住まい

モデルハウスで“疑似”ファミリー体験?30代独身記者が潜入してみた

妻と7歳の娘が突然できました

玄関のドアを開けると、駆け寄ってくる娘と、ほほえみかける妻。しかし、その正体はプロの女優と子役――。疑似家族が迎えてくれる「モデルファミリー付きモデルハウス」がSNSで話題になっています。

「理想のお家と理想の家族を一緒に体験して、素晴らしさをご実感いただく」(公式サイトより)という趣旨で、注文住宅建築業者のリガードが手掛けます。どのような体験ができるのか、30代独身男性記者が体験してみます。


結婚8年目の妻と、娘がいる家族

この取り組みは11月17日の「家族の日」に合わせて、東京・国分寺市内のモデルハウスで実施したものです。「家族を持つことが幸福だと思えない」「家族の持つ未来が想像できない」といった若年層に体験してもらうことを想定しています。

参加者に与えられるのは、結婚8年目になる妻と、7歳の娘がいる30代の父親という設定。妻は「活発で明るい性格。得意なことは水泳。お料理と家族を愛する奥様」、娘は「ちょっぴり泣き虫だけど好奇心旺盛。パパのことが大好きな7歳」。設定だけでも、ホームドラマのような幸福な家庭を彷彿とさせる、“モデルファミリー”との生活を約20分間体験します。

モデルファミリー

演出は人気劇団「ヨーロッパ企画」の俳優で、自身で舞台の脚本・演出も手がける諏訪雅さんを起用。女優の早織さん(31)が妻役を務めます。演劇のように進行していき、アドリブにも対応してくれるといいます。

一般参加者の募集を開始したところ、Twitterで2万回以上リツイートされるなど拡散。「この企画すごい」という声が出た一方で、「男性はやはり大きな家買って妻子を持たないといけない圧を感じる」など賛否両論の展開に。応募が殺到して、定員の約10倍の段階で募集を締め切ったといいます。

ドアを開けると、そこには家族がいた

15日にメディア向けに体験会が開かれたので、30代独身の男性記者が参加してみました。現実には、都内で1Kの賃貸マンションに住んでおり、戸建住宅で家族と住む未来など思い描いた経験はほぼ皆無。当然のことながら、モデルハウスを訪れる機会は普段まったくありません。

事前に用意された台本を読むという選択肢もありましたが、あえて目を通さず、一般参加者と同じ状態で臨みました。

玄関の前でスタンバイしていると、スタッフから手渡されたのはコンビニのビニール袋に入った紙皿。友人家族を招いてホームパーティを開く休日という設定で、紙皿を買って帰ってきた場面からのスタート、と告げられます。

ドアを開けると「あ、パパお帰りなさい!ママから頼まれたもの、ちゃんと買ってきた?」と、娘役の子が笑顔で駆け寄ってきます。実の姪にもこんな厚遇を受けたことはありません。

モデルファミリー役者との事前の打ち合わせはないので、ここが初対面

妻役の早織さんも2階から「おかえり」と顔を出します。あと30分くらいで友人家族が来るらしく、「玄関の靴、しまってくれる?カスミもお手伝いして」。

「そうか、娘の名前はカスミというのか」と思いながら作業を終わらせると、「ママが美味しそうなもの、つくってたよ」というキッチンのある2階に誘導されます。

受け身でも進む家族の物語

「パパ、帰ったら手洗わないとダメだよ?」と手洗いを促され、その後はキッチンで「妻」の料理をお手伝い。「私はチーズを置くから、パパにはトマトを乗せてもらおうかな」という妻にならって、クラッカーの上にトマトを乗せていきます。

モデルファミリー

妻と娘は台本を元に進行していきますが、夫役の記者は展開を知らないので、会話は全部その場の思いつき。アイランドキッチンを挟んで、カナッペを作りながら妻と軽妙な会話をする人生の引き出しがありません。

それでも、プロの演じる妻と娘は、自然な距離感で会話をしてきます。まるで村上春樹の小説か、島耕作の漫画の世界に入り込んだかのように、受け身の主人公でも進んでいく物語です。

モデルファミリー

「パパ、ここわかんない」と言う娘の算数の宿題を手伝う場面で、参加者をこの世界に引き込む仕掛けに気づきます。算数の問題集の名前欄に鉛筆で書かれた「こじま かすみ」の文字。参加者の苗字を子供につける演出です。

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