はじめに

生活防衛資金は7.5ヵ月分、投資分は含まずに

漠然と貯金を作りなさいという話をしましたが、では、いくらあると良いでしょうか。

基本的に、お金は3つに分けて準備しておく必要があると考えています。

まず、毎月の生活をきちんと営むためのお金。「使う」ための括りです。これは毎月の生活費の1.5ヵ月分あるとよいと思います。なぜ0.5ヵ月分多く設定するのかというと、毎月必要ではないけれど、イレギュラーな支出があった時にも、貯金を下ろさず安定した暮らしができる金額だろうと考えたゆとり分です。このお金ができた後、貯めるお金を作ります。

この「貯める」は、前述した“生活防衛資金”部分です。最低限6ヵ月分があれば、万が一収入が途絶えることがあっても立て直すまでの期間、対応できるのではないかと思います。これだけでは不安な場合は、8ヵ月分でも1年分でもいいです。教育費や結婚資金といった目的のある資金は、これとは別に貯めていくことが必要です。

以上から、相談者さんに必要な生活防衛資金+生活費部分として、最低限生活費の7.5ヵ月分、つまり1ヵ月の純粋な生活費は17万円ほどですから、127万円ほどの現金が常に銀行口座などにある状況を作っておく必要があります。そのうえで、結婚資金を準備してください。

こう考えると、今後学費で最低130万円は支出するので、現金は少し足りないですね。投資分があるからよいと思われる方もいますが、投資は相談者さんの株式投資のように、売ると損失が確定してしまうという状況も起こり得ます。万が一の時に売ってしまうと大きく損をすることがあるので、生活防衛資金としては適しません。

投資をするなら「投資信託」をおすすめする理由

会社の持ち株を購入している人は多いですね。10%上乗せなどメリットも大きいですし、自分の会社ですから、株を持っていたいと思う人もいるようです。

ただ株価は、個別株同様に動き、業績により大きく変動することもあるでしょう。つまり、個別株を保有していることと同じなのです。自社の株は優遇されているからというところだけを見て、この点を忘れてしまう人が多いものです。

長期的に資産を増やしたいと考えるのであれば、相談者さんご自身も理解されているように、分散投資で、長期的に保有できる投資をしたほうがよいと思います。投資信託などで投資をすると、簡単に分散投資ができるうえ、複利の効果で長く持てば持つほど資産を増やせる可能性があります。20代の相談者さんであれば、効果を十分に期待できるでしょう。

株式投資では、配当金で資産を増やせる可能性がありますが、分散投資をするにはかなりのお金がかかります。そうであれば、投資信託に変えてみても良いと思います。ただ、投資の効果が出るには数年単位という時間がかかるので、株式投資ほどの面白みは感じられないでしょう。その分、ある程度放っておけるということも、働く人、これから育児などで時間がなくなる予定の人には良いのではないかと思います。

持ち株は、退職まで社員が自由に売ることができないというケースが多いので、売却までは考えなくいてもいいと思いますが、毎月の購入金額を減らす、または持ち株会の継続を検討するということはできそうです。

投資との付き合い方はいろいろな考え方がありますから、ご自分は今後どうしていきたいかを改めて考えてみてもよいですね。

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