はじめに
シャンパンタワーのお値段
シャンパンコールは、自分の席にホストが何人も集まってきて囃し立ててくれる余興で、値段はだいたい1回5万円以上(のドリンク注文が必要)です。ちなみに、出勤中のホスト全員に集まってもらうことを「オール」と呼びますが、これは1回100万円以上(のドリンク注文が必要)です。
一方、シャンパンタワーのほうは皆さんもご存知でしょう。グラスを重ねて積み上げ、上からお酒を注ぐ例のアレです。料金相場は60万円以上。有名ホストROLANDが在籍するホスクラなんかだと150万円以上かかります。
店によって多少値段の違いはありますが、このあたりが一般的なホスクラの料金体系です。
いずれにせよ、本腰を入れて遊ぶとなると、とんでもなくお金がかかるのがホスクラです。普通のOLさんなんかでは、頻繁に通うのは収入的にまず厳しい。ゆえにホストクラブに頻繁に通えるのは、大富豪か、夜の仕事で荒稼ぎをしている女性です。
女性たちの心理
では、ホストクラブにハマる人たちがどのような人かが確認できたところで本題へ。彼女たちの貢ぎの心理について考えてみましょう。
さしあたり紹介したいのは、2人のエピソードです。
「ホストって高いでしょ? なのにどうして通うんですか?」
そう質問した私に対して、その一人の女性は”売上発表”の思い出を語ってくれました。どこのホストクラブでも毎月末、在籍ホストの月間売上げ発表を行っているのですが、彼女はある月末の店内で、担当と一緒に売上発表を聞いたことがあるんだといいます。
「ほんとにドキドキして。なんかお母さんみたいな気分というか。そしたら担当がナンバー(成績上位者)に入って。頑張って応援してよかった」
だからまたその興奮を味わいたくて、翌月も店に通ったんだそうです。
また、もう一人の女性はこんな話をしてくれました。「夜の仕事をしていると、社会との繋がりがなくなっていくような感覚があるんです」。聞けば、周囲に自分の仕事の話をできないこと、世間一般と金銭感覚や仕事感が違うこと、そういった要因によって疎外感を感じるとのことでした。
「社会との繋がりがないのって、かなり辛いですよ」
なので何だか寂しくて、自分を必要としてくれる担当に会いに行きたくなるんだそうです。
「お母さんみたいな気分」「社会との繋がりがない」。私は2人のこの言葉が、貢ぎの心理をよく現していると思います。