はじめに

“塗りつけ放置”で大体落ちる?5つの手順

続いて、掃除手順について聞きました。塩素系洗剤を使って掃除をする場合は、必ず浴室の換気を欠かさずに。

(1)ビニール手袋を手にはめ、排水口のフタを空けて、ヘアキャッチャーから髪の毛や石鹸カスなどを取り除く。ゴミはビニール袋に入れて捨てる。

(2)排水口トラップなど、取り外しできる部品はすべて取り外す。排水口の仕組みは住居によって異なるので、どこまで取り外したらいいのか迷ったら必ずメーカーのホームページで確認を。

(3)泡タイプの塩素系洗剤をブラシにつけ、すべての部品にまんべんなく塗りつける。臭いのきつい塩素系洗剤は、使用量を少なくするために、排水口などに直接吹きつけるのではなく、ブラシで確実に汚れに塗りつけるのがポイント。このとき決してブラシでこすらないこと。塩素系洗剤がはねて目に入ったりしたら危険なので、こすらずにつけおきをする。

(4)5分後にシャワーで洗い流す。

(5)ヌメリが残っていたり、汚れが落ち切れていない場合は、お風呂用洗剤を使ってブラシやスポンジでこすり洗いをする。

大体の汚れは、塩素系洗剤のつけおきで落ちるといいます。

「こする必要はありません。洗剤に働いてもらうだけでOK。見逃しがちな排水口のフタの側面の掃除も忘れずに」

下水の逆流は「水嚢」で防ぐ

家庭の排水口は、下水につながっています。そのため、今年10月に大きな被害をもたらした台風19号の時のような大雨が降ると、地域によっては、下水道の排水処理能力が追いつかず排水口から逆流して下水があふれ出す「内水氾濫」が起こる危険があります。

万が一の状況に備えて、逆流を防ぐために何ができるのか。家庭でできる対策を教えてもらいました。

「大きなビニールに水をたっぷり貯めて“水嚢”をつくります。それを排水口の上に置けば逆流防止になりますよ。土嚢ではなく、水嚢にすることで、準備するときもその後の処理もラクになります」


毎日汚れが溜まる場所なのに、後回しにしがちな排水口まわりの掃除。プロのそうじ方法を試してみれば、意外と簡単で億劫ではなくなるかもしれません。

【取材協力】
<白井佳子(しらい よしこ)>
ドイツ留学中に感化され掃除に目覚める。帰国後、家事代行の老舗ミニメイド・サービスに入社。富裕層を中心とした家事代行経験多数。お掃除講座「クリンネスト」運営、上級講師。『プロに教わるシンプル掃除術』(双葉社)監修。ブログ『お掃除苦手は卒業できる!楽々お掃除でハッピーライフ』。
<ハウスキーピング協会>
2003年に設立。代表理事は『一番わかりやすい整理入門』の著者・澤一良。家事の社会的価値向上を目的として、整理収納のノウハウを身につける「整理収納アドバイザー2級・1級」など、家庭及び事業所などの様々な資格認定・育成・仕事場づくりを行う。整理収納アドバイザー2級は取得者が12万5000人を突破(2019年11月)。整理収納の学びの祭典「整理収納フェスティバル」を両国で毎年開催。

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