はじめに
投資と投機の違いを理解する
このような話を学生にする時は、「投資」と「投機」の違いについて議論をします。前述の「しっかり理解しているかどうか」も投資と投機の違いの1つかもしれませんが、それ以外にもいくつかの観点があります。
まずは「期間」が挙げられます。明日儲けよう、数時間後には倍になるかもしれない、こういった視点でお金を使うことは投機だと考えます。一方で投資であれば、やはり10年、20年といった長い目線で考え、複利を活用して資産を増やす観点を持たないといけません。
つぎに挙げられるのは「リスク」の考え方です。日本では一般的に「リスク」という言葉は「危険」の意味で使われがちですが、正確にはリターンの変動幅を指します。つまり、リスクが高いというのは単純に損をする可能性が高いわけではなく、大きく儲かることもあれば、大きく損する可能性もあるということです。リスクを大きく取ることは投機であり、リスクを抑えて一定の水準にコントロールすることが投資になります。
何がその投資の目的なのか
少し難しい内容かもしれませんが、投資をする目的が何なのかを考えることが最も簡単で重要です。
これから投資をするとして、目的が老後資産の形成や子どもの将来の学費だとしましょう。本当にそのお金を投資しようと思いますか? その時に自信をもってイエスと答えられないのであれば、それは投資ではなく投機なのかもしれません。
これから投資をしようと考えている人に対して、頭ごなしに「危険だ」とか、「それは投機だ」と指摘するのはよくないかもしれませんが、せめて自分には問いかけをしてみて欲しいのです。
最近、大学生と話していると、明らかに詐欺である投資案件に接触している人が想像以上に多いことに驚きます。親元を離れた一人暮らしで、相談相手がいなかったり、クレジットカードを作れるようになったり、お金を借りられるようになるため、詐欺への防御力が必要になるタイミングでもあります。
本当に危険な投資とは何か、いまいちど自分自身に問いかけながら意思決定をしていきましょう。