はじめに
悪質な詐欺師の手口とは
「今、国は、スマートフォンの普及を行っていまして、キャンペーンをしております。弊社もこのキャンペーンを利用し、資金のご提供を無利息でやらさせて頂いています」
そして、購入する商品名が伝えられました。
「1台定価15万円のものを購入して頂きますが、今回は割引などすべて適用されていますので、お客様は実質10万円でご購入することができます。それを弊社の提携ストアさんにて、定価の90%で買い取って頂きます」
つまり、10万円で買ったものを、買い取り業者に13万5千円で買い取ってもらう。1台につき、3万5千円の利益が出るというわけです。
「この最新のスマホなど3台購入して頂きますので、10万円を手にできることになります。ただし、毎月のお支払は、ご自身でしっかりとしていただきます」
「携帯端末や利用料金は自分が払うということですか?」と尋ねると、
「はい。電話は必ず、こちらで解約しますので、通話料金は発生しません」
「解約はどのタイミングで行うのですか?」
「だいたい、2~3週間ですね」
つまり、解約までのタイムラグがあるということは、その期間に、詐欺などの犯罪に電話が使われる可能性があります。おそらくは、これは、詐欺の電話を用意する道具屋の集団ではないかと思われます。
「郵送で、指定のリサイクルショップに商品を送っていただき、その買い取り代金を、お振込み致します。お住いの住所はどこですか?」
「〇〇区です」
男は住所を聞き出すと、「お近くの当社の提携先になっているショップさんに電話を入れて予約をしておきますので、取りに行っていってください」と、ぐいぐいと話を引っ張っていきます。おそらく、押しに弱い人は、ずるずると購入契約の方に話を進められてしまうことでしょう。相手は提携先などともっともらしく言っていますが、携帯ショップに電話をかければ、誰でも商品の取り置きの予約はできるのです。
詐欺師の側には、言葉巧みに話を展開して、私たちを誘導するマニュアルもあり、長く会話をすればするほど、騙される危険性が増してきますので、「おかしい」「変だな」と思った時点で、すぐに電話を切ることが大事です。
さらに、男はショップに行った際の購入の注意点を話します。
「くれぐれも、すぐに売りますとかを、店員に絶対に言わないでください。転売目的の購入はダメなので」その通りで、転売を目的とする購入は禁止になっています。これが、いけないことをわかっていながら、転売購入を指示してきます。ここで、その矛盾を芸人さんに突っ込んでもらうと、相手は嘘がばれる可能性があると思ったのでしょう。
「じゃあいいです」とあっさりと電話は切れました。