はじめに
楽をするためではなく、事故を減らすため
状況を説明すれば、流れの速度は30~60km/hを行ったり来たり。周囲のクルマを判断して混雑と認識しながらも、ハンズオフが必要なほど酷い渋滞とは判断していなかったのです。つまりSTOP&ゴーを繰り返すような状況で、追突事故などの危険性が増したとき確実に作動する、と考えた方がいいようです。楽をするためのハンズ・オフではなく、事故の危険性を軽減するアシスト機能ということ。あくまでも運転はドライバーが責任を持ってするもの、という姿勢は、いかにも“走る歓び”を前面に出しているBMWらしいです。
それでもその後、かなりの渋滞に突入すると、めでたくハンズ・オフを3分ほど経験できました。再び、流れだすと時速60km以下でもハンドルを握れという警告が出ます。ハンズ・オフといっても、あくまでも完全に手放しでお任せの自動運転ではなく、自動運転レベル2ですから、ドライバーは操作を求められ、注意を怠ってはいけないのです。また首都高速以外の都市高速でも使えますが、第三京浜や自動車専用道路などでは使用することは出来ません。それでも渋滞時の安全向上にも役立ちますし、なによりドライバーのストレスは少なくなります。
ハンズ・オフ機能は高速道路で60km/h以下、そして渋滞時に使えることになっているが実際には、かなり低速で渋滞している場合でないとなかなかハンズ・オフ出来なかった。
そしてもう一点、感心したことがあります。しっかりと周囲を監視していた搭載カメラをドライブレコーダーのカメラとしても使えることはあまり宣伝されていません。BMWでは専用の機器を購入することで、ドライブレコーダーとしても使えるのです。これは他のメーカーも出来る限り早く実行してほしいと思います。以前、某メーカーのエンジニアにもそれを提言したことがあるのですが「記録メディアは熱や振動にも弱いし……」などと、けっこう消極的だったことを思い出しました。
60km/h以下の高速であっても、流れ出すとハンドルが黄色に変わり、握って運転するように警告される。