はじめに

電動アシスト自転車は2008年に新基準が定められた

元々は電動アシスト自転車に備わるモーターの能力は人の力を超えてはならないとされ、「1:1」という基準が定められていました。人の力を1とした場合、モーターの能力も1までと規制されていました。

しかし、2008年に法令改正が行われ「1:2」までアシスト比率が拡大されました。これで、アシストする力は増加しましたが、速度が倍になったわけではありません。

時速10kmを超えるとアシストする力は小さくなり、時速24kmを超えるとモーターは停止します。安全を充分に考慮した設計になっているのです。新基準「1:2」の比率は、あくまで女性や高齢者など脚力の弱い方々をアシストするためのものです。

モーターの補助能力が弱いと発進時や坂道などはペダルを強く踏まなければなりませんが、その反動により自転車がふらついてしまうことや、最悪時は転倒してしまうおそれもあります。

ペダルを踏み込む力をアシストすることで、多くの方々が安全に安心して走行できるように改正された新基準というわけなのです。

電動アシスト自転車のバッテリー寿命は?

バッテリーの寿命については、年数をカウントしたり充電回数でカウントしたりと考え方が多様のようです。

たとえば、使用する電池が自己放電の少ないリチウムイオンであっても、使わない期間中は放電し、劣化は進行します。

メーカーによってはバッテリーの劣化状況を確認できるものもあるそうですが、その数値はあくまで目安。おおよそですが、年数の経過が2年を越えている場合、または充電の回数が700回を超えている場合を、寿命の目安と考えて間違いはないかと思います。

「年数は2年半を越えているけれど、充電は数回しか行なっていない。それでもバッテリーを交換しなければいけない?」なんて質問も上がりそうですが、バッテリーは消耗品であり使用環境の違いによっても劣化進行速度は様々なので2年を超えたら、一度専門のショップに点検してもらうのが良いでしょう。

電動アシスト自転車のバッテリーを充電するときに気を付けたい事

まず、まだ充分に充電が残っている状態でさらに充電するのはなるべく避けましょう。リチウムイオン電池であるならば、過剰なまでの繰り返し充電を行なわなければ問題はないと思いますが、充電の回数も寿命を早める要因になります。

さらに、深放電というバッテリー残量がゼロの状態のままにしてしまうこともNGです。目安として表示されるバッテリー残量が10%まで達したタイミングで満タンまで充電するようにしてください。

高温での保管や充電も寿命を早めます。保管や充電を行なう場合は、周辺温度が0℃から40℃までの場所であること。真夏の炎天下で駐輪する場合には、一時的であってもバッテリーを外しておくことをオススメします。

また、上り坂や重い荷物を積載して長時間走行をした場合には、使用後に冷暗所などの涼しい場所でバッテリーの温度を下げてあげるようにしましょう。寒い地域などは、氷点下で使用するとアシスト不足を感じることもあるかもしれません。そのような場合には可能な限り使用を控えて、室温での保管をオススメします。

子どもの送迎、坂道の通勤、荷物が重い買い物など、電動アシスト自転車はとても便利です。正しく使用して、安全で快適な交通手段として活用していきましょう。

<構成/青山ネムリ>

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