はじめに
SNSの書き込みも犯罪のタネ
ここまでお話したのは、災害後しばらくたってから起こる手口ですが、災害直後の対策も考えておかなければなりません。それは、空き巣や窃盗です。犯罪者は多くの人が避難所に向かい誰もいなくなった家を狙います。もし家から金品を盗み出しても、浸水被害にあっていると何が取られたのかわからないし、玄関や窓などが壊れていて侵入しやすいこともあります。過去にも、台風で壊れた入口から空き巣が入り、100万円以上を盗まれる事件も起きています。ですので、台風の襲来前の備えとして、現金や貴重品、カードなどを家に置かずにすぐに持ち出せるようにすることを心掛けてください。もちろん、ヘソクリもお忘れなく。また、車に置き忘れた財布などを狙われることもありますから、車中には貴重品を置かないようにしてください。
福島では、県職員をかたる者から「台風の被害による特別支援金がありますので、振り込ます」と言って、キャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとする電話がありました。おそらく、空き巣か浸水で流されてしまったカードから、お金を引き出そうとしたものと思われますので、不審電話にも警戒をしてください。
最後に、災害時のSNSの発信にも十分な配慮が必要です。SNSは被害情報を伝えて、救援要請を行えるなどのメリットもありますが、一方で、犯罪者もSNSの情報を見ているというリスクもあります。もし家に人がいない写真をアップしたり、防犯体制が整っていないことがSNSで知られれば、犯罪者がやってくるかもしれません。今年も異常気象による災害は予想されます。それだけに、火事場泥棒的な手口と対策を知って、詐欺や悪質商法の被害軽減を図って頂ければと思います。