はじめに

収入が少ない月に合わせて家計をコントロール

ご主人の収入に変動があるものの、少ないときでも30万円の手取り収入があります。ボーナスはありませんが、ふたりで少ない月でも46.6万円、年間手取り収入として559万円あります。これは会社員なら年収約700万円に近い収入ですから、キャッシングなしでも十分に生活できるはず。

『喝をいれてください』というご要望通り、ここでしっかりと家計を立て直しましょう!

まずは、国民年金保険料分を除いた、生命保険料です。月額約2万円の保険の中身は、本当に必要な保障かどうかを確認しましょう。死亡保険が中心であれば、どちらかが亡くなった場合も、お互いに独身に戻るだけなので、多額の死亡保障はいりません。また、入院など働けなくなった時も、どちらかが仕事をしてサポートできます。保険が欲しい場合は、入院日額5000円を目安に検討してみてください。保険は、安くても不要なら解約、必要なときには、保険料の高い安いに関わらず加入しましょう。

次に節約できるのは通信費です。ご主人が自営業で、仕事の連絡で通話が多い可能性もありますが、1年に1度は通信料や通話料のプランを見直して、節約しましょう。格安SIMは会社によっては通話のひと手間が必要なることもあり、慣れるまでの不便もありますが、目標のためには通信費を月額1.5万円以内に抑えたいところです。月額5000円浮けば、1年で6万円。10年で60万円、30年で180万円貯まりますから、将来の車の買い替え費用や、マンションを購入した後のリフォーム費用に使えますよ。

また、スマホの分割払い購入は、実質ローンと同じです。一括払いの金額で価値を判断して、次の買い替えは一括購入を目指しましょう。

そして、車両費。車の保険は年間約10万円になっています。年間走行距離や車種、免許証の色(ブルー・ゴールド)によって保険料は変わります。ネットの一括見積サイトなどを利用して、保険料が下がらないか、検討しましょう。必ず必要な保障は、対人&対物、そして、もしもの時につけておきたいのが弁護士特約です。それ以外は、運転している自分側の保障や車への保障なので減らすことができます。必要な保障は守りつつ、保険料を比べてみてください。

「楽しみ」はそれぞれのお小遣いから捻出を

最後は、「楽しみ」のお金の見直しです。ここでいう「楽しみ」とは、お小遣いと美容代とたばこ代などのその他。この3つの支出の「楽しみ」の合計額は、13.5万円。さらに、使途不明金が3.6万円ですから、これも含めると17.1万円が「楽しみ」や「気が付いたらなくなっている」お金になっているのです。「出費が多いから仕方ない」という他人目線ではなく、「手取りの3分の1を自分達の遊びやストレス解消に使っている」という意識を持ちましょう。

そこで例えば、ご相談者さんは、美容院とネイルを含めたお小遣いを4万円、ご主人はたばこ代を含めたお小遣いを6万円として、その中でやりくりしてみませんか? この改善ができれば、「楽しみ」で月額3.5万円浮きます。“お小遣い”という名称の金額は増えても、そこに含める内容を2人で話し合い、決めた金額の中でやりくりする習慣をつけることが必須です。足りないからキャッシングは論外。なお、先ほどの金額はあくまでも「仮」ですから、お二人の将来のために、やりくりできるお小遣い額を話し合ってみてくださいね。

これからどうしたらいい?

ポイントは、2つ。ローンを減らすことと、貯蓄目標を夫婦で共有することです。

家電のローンは2月には終わりますから、この浮いた1.5万円と「楽しみ」のお金を見直した3.5万円を貯めて、まずは、キャッシングを完済しましょう。

キャッシングが完済したら、この月額5万円は結婚写真のために貯め、夢が叶ったら、そのあとはマンションの夢に向かって貯めましょう。

使途不明金の3.6万円は、車の税金や車検、電化製品の買い替え、旅行代に備えて、給与口座の自動積立預金の手続きをして貯めます。1年間で43万円になりますから、貯めながら必要な時に使うことで、次はキャッシングをしなくても、税金や車検の支払い、電化製品の買い換えもできるはずです。

住居費、食費、水道光熱費は引き締められています。今の楽しみと、将来のマンション購入の夢実現のために、夫婦で「いつまでにいくら貯めよう! そのために、この支出はこだわるけれど、これは減らそう」とメリハリをつけましょう。

結婚写真の夢が早く叶いますように。

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