はじめに

いまクラフトビールに注力する“うまみ”

さらに、クラフトビールに注力する背景として、酒税法の改正があります。ビール、発泡酒、第3のビールの税率が、2026年10月までに段階的に一本化される予定。税額の差が縮まると、ビールの味わいがより重要になりそうです。

しかし、磯崎社長は「欧米ほどのクラフトビールの構成比にはならない。マックスで5%ぐらい」と予測します。では、少子高齢化がさらに進み「胃袋の数」が減少する中、クラフトビールに注力する“うまみ”はどこにあるのでしょうか。

それは、クラフトビールの利益率の高さです。通常のビールの2倍ほどの価格で販売するので、「全体的なボリュームは下がっても収益に貢献する」と磯崎社長。また、飲食店や消費者、ホップ農家などのステークホルダーにとっての「ビールの価値」を変えることで、ビール類市場全体の活性化を狙います。

今後、業務用で十分なブランディングを実施したうえで、スーパーなどの量販店での販売も強化していく方針。2020年の販売量は前年比4割増を目指すとしています。

まだ投資段階というキリンのクラフトビール。離れていった人々の心をつかみ、ビール人気を再び取り戻すことはできるでしょうか。