はじめに
「メンズビギ」とのコラボウエアも登場
ファン付きウエアの新作を見ると、生地のスペックが高いものをそろえた印象を受けます。レディース向けのバイカラーのウエア(1万6,280円、ファン・バッテリー別)は、肩の部分に遮熱、遮光性の高い生地を使いました。
遮光・遮熱性の高い生地を使った新作も
実はこの生地は東レの「サマーシールド」という製品で、日傘の生地として大ヒットしています。このほか、アウトドアにも対応できるように、高い撥水機能を付けたウエアも増やしました。
著名ブランドとのコラボも目立ちます。アパレルブランド「メンズビギ」のファン付きウエアや、ゴルフメーカーのプロギアと開発した商品が並びます。
ブランド力があるメーカーとコラボすることで、ファッションやスポーツが好きな人に、ファン付きウエアを知ってもらう狙いです。
東京五輪でさらなる成長を狙う
現場の作業員向けのウエアも進化を遂げています。とび職の人に愛用されるニッカポッカを製造する寅壱と協業し、ニッカポッカのファン付きウエアも出しました。「パンツの絶妙なラインは、とてもウチでは出せません」(空調服)と言います。
寅壱とコラボしたウエア(左)の隣にはメンズビギとのコラボが
空調服の2019年の夏商戦は、7月は長雨の影響で売り上げが伸び悩みましたが、8月に入り建設作業員を中心に需要が増え、盛り返しました。2019年12月期の売上高は前期比20%増の48億円でした。今年は7月に開幕する東京オリンピック・パラリンピックの観戦用など、売り上げ増が期待できるイベントが控えます。
空調服の市ヶ谷弘司会長は「冬にダウンコートを着るように、夏には当たり前のように空調服を着る社会にしたい」と語ります。工事現場向けから一般向けに展開し、成長を遂げているファン付きウエア。さらに赤ちゃんまで対象を広げることで、一段の成長につなげたい考えです。