はじめに
「相手からアプローチがあれば考える」人が多い日本
また、図2は、同じ調査で各国の男女に恋愛に対する考え方を複数回答でたずねた結果です。これをみると、どの国でも最も高い割合を占めているのは、「交際することで人生が豊かになる」という点で、日本では42.8%を占めます。
ただし、日本の場合、これとほぼ同じ割合で「交際をすると相手との結婚を考える」(42.7%)もあげられています。日本の男女では「交際をすると相手との結婚を考える」という人が他の3か国に比べ高くなっています。
このほか日本の特徴として注目されるのは「気になる相手には自分から積極的にアプローチをする」と答えた人と、「相手からアプローチがあれば考える」と答えた人の割合をめぐる他の国との傾向の違いです。
フランス、スウェーデン、イギリスの3か国では「気になる相手には自分から積極的にアプローチをする」が後者を上回るのに対し、日本の場合、「相手からアプローチがあれば考える」が前者を10ポイント以上も上回っています。
つまり、日本には、自分から積極的にアプローチをする人よりも、相手からアプローチがあれば考えるという人の方が多くなっています。
夫婦の出会い後の真相―本当はどちらが積極的にアプローチしたのか?
実は筆者の周囲にも、出会いのきっかけ自体は「友人の紹介」であったものの、その後の関係構築のプロセスに関しては夫婦の見解が異なり、双方とも自分からアプローチしたのではなく相手からのアプローチだったと言い張って譲らないカップルがいます。
先の調査結果に立ち戻ると、この例ではどちらも「相手からのアプローチがあったから考えた」ということになるのかもしれません。
前々回の当欄では、家事の範囲や分担をめぐる夫婦の意識のずれの可能性を指摘しましたが、今回注目した交際相手との出会いについての考え方についても、夫婦の見解が大きく異なるケースは案外多いのではないでしょうか。