はじめに

女性会員の獲得が今後の成長の鍵

これまで順調に会員数を伸ばしてきたラグジュアリーカードが次に狙うのが、女性の新富裕層です。

既存の女性会員の平均年収は1,000万円で、日本の女性の平均である293万円の3倍以上です。ただローンチ以来、男性の富裕層をターゲットとしてきた結果、女性会員の割合は1割程度にとどまってしまっています。ですが女性就労者数が増えている社会的背景や、ソーシャルアワー参加者の4割が女性のケースもあるなどの事情をふまえ、「まだ伸び代がある」(林社長)と判断。注力事業に位置付けました。

そのほかの今後の事業としては、新しいカードの開発も進めています。現在は年会費5〜20万の設定ですが、5万円以下のエントリーレベル、そして20万円以上のVVIP向けカードを検討しているのだとか。もちろん既存のカードと同じ、金属製です。

銀座の会員制バーラウンジを新たな優待に

今回の発表会では、銀座にある会員制のバーラウンジ「VILLA FOCH GINZA」(ヴィラフォッシュギンザ)をカードラウンジとして活用することも発表されました。

ラグジュアリーカードカードラウンジの個室

本来は完全会員制のバーラウンジですが、ラグジュアリーカード会員は入会金や月会費が免除。チタンカード会員は都度利用料として1,500円かかりますが、ゴールドとブラックカード会員はそれも免除。またカード会員限定サービスである「Luxury Lounge Hour」を利用すれば、1人2,500円でフィンガーフード3種類とドリンク2杯が楽しめます。

ラグジュアリーカード提供されるフィンガーフード一例

以前から「ゆっくり仕事ができて、打ち合わせもできる場所がほしい」という会員の声は多く、新たな優待を模索していたそう。VILLA FOCH GINZAは銀座4丁目交差点から徒歩30秒と立地が抜群で、カード会員と顧客層の重なりも大きいため、提携に踏み切ったといいます。今後は東京以外でも同じようなカードラウンジの設置が検討されています。

林社長は「ラグジュアリーカードは単なる決済手段ではなく、人生を豊かにするライフスタイルブランドだ」とそのコンセプトに胸を張ります。サービスローンチから3年間の取り組みは、多くの支持を集めました。ですが大事なのはこれからの3年間です。今後どのように進化していくのか、また日本で定着していくのか、注視していく必要がありそうです。

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