はじめに

新会社はどう収益に貢献するのか

丸井グループはこれまで、EC構築支援サービスのBASEやオーダースーツ「FABRIC TOKYO」、パーソナライズヘアケアブランド「MEDULLA」のSpartyなどに出資しており、各ブランドが実店舗を出店しています。

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新会社の設立により、今後はどのような変化があるのでしょうか。D2C&Co.の加藤社長によると、新会社はD2Cにフォーカスをする旗印という位置づけ。投資だけでなく、出店の支援などを集中して実施し、D2Cのエコシステムを作り上げる狙いがあるといいます。

また、D2Cブランドの出店増により、店の集客力が高まるほか、テナントとしての家賃収益を見込んでいます。ネット広告によるユーザー獲得コストが高まる中、広告宣伝費ととらえると「店舗の家賃は比較的低い」というD2Cブランドもあるようです。

さらに、D2Cブランドでのクレジットカード決済による収益も見込んでいます。丸井グループの2020年3月期第3四半期(2019年4~12月期)決算によると、エポスカードを中心とするフィンテックセグメントの営業利益は303億円と、小売セグメントの77億円を大きく上回る稼ぎ頭となっています。

差別化は継続できる?

丸井グループが目指すのは、顧客と企業との関係を売り手と買い手ではなく、共感でつながるパートナーやコミュニティといった形にすること。背景にあるストーリーや、理念やビジョンに共感できるかどうかを重視するミレニアル世代に刺さるブランドに出資しているといいます。

百貨店業界の中で先陣を切って、D2Cへの投資に力を入れる同社ですが、今後も他社との優位性を保てるのでしょうか。

青井社長は「百貨店のモデルでは、売り上げが立たないテナントだと、(D2Cブランドの出店を)やりたくてもできない。5年間はかかる」と予想し、駅ビルでも店舗で売り上げを立てるという固定観念があるとして、「引き離した分はなかなか追いつけないのではないか」と自信を見せます。

D2Cの新会社設立で「売らない店」路線を加速する丸井グループ。リアル店舗の役割が、より一層変化していきそうです。