はじめに

客数維持の戦略に生じた誤算

「客単価を上げて客数を維持するが経営戦略の柱だった」と2019年12月期の計画を振り返る谷社長。この客数維持のためのカギと考えていたのがデジタルマーケティングでした。しかし、ここにも誤算が生じました。

折込チラシを減らし、TwitterやFacebook、アプリによるプロモーションを増やしたところ、想定する結果を生み出せず、結果的に女性やシニアの来店頻度の減少につながったといいます。

「広域に配信をして、客数を担保できると目論んでいたが、その効果は限定的だった」(同)

2020年12月期は折込チラシの量とクリエイティブを最適化するとともに、デジタルプロモーションの方法を見直す方針です。

デジタルメニューは何がすごいのか

メニュー改定や販売促進の他に予定している施策が、「フロアオペレーション改革」による店舗の生産性向上。そのうえで重要な役割を果たすのが、各テーブルに設置するタブレット端末「デジタルメニューブック」の導入です。

利用者がテーブルから商品を注文できるので、店舗スタッフのオーダー受けなど、約3割の業務を減らすことができるといいます。クラウド上でメニューを管理できるため、地域や気温などに応じて、本部から各店舗のメニューの差し替えも可能になります。

3月までにガスト、バーミヤン、ジョナサンといった主要業態に、7月には全店で導入する予定です。「利益や単純な労働時間の削減に走らずに、サービス向上に役立てる」(同)。デジタルメニューブックの導入後は、QRコード決済と連動したテーブル会計の仕組みを構築するほか、キャッシュレス対応のセルフレジ導入も予定しています。

「人件費の高騰をシステム的に乗り越える」という谷社長。24時間営業廃止・全店禁煙などで注目を浴びる、すかいらーくグループの店舗は2020年以降、さらに姿を変えていきそうです。