はじめに

家を売却する際、多くの人が「より高く売る」ことを考えると思います。また、新しく買う物件の入居や支払いが迫っている、あるいは相続や離婚など急激なライフステージの変化ですぐに現金化したいなど、リミットがあり「早く売りたい」ケースもあるでしょう。

もちろん「より高く、なおかつ、より早く」売れれば言うことはありません。しかし、価格とスピード、どちらを重視するかで家の売り方は異なります。


とにかく高く売りたいなら「仲介」を

家の売り方は、大きく分けて2つあります。「仲介」と「業者買い取りで売る」方法です。

「仲介」の場合、時間がかかる可能性はありますが、より高値で売れる確率が高まります。一方、「業者買い取り」は市場価格の2~3割安になる反面、短期間で売れるケースが多いです。

つまり、(非常にざっくりと言えば)より高く売りたいなら「仲介」を、より早く売りたいなら「業者買い取りで売る」を選択するのがセオリーです。

「買い先行」は資金不足のリスクも

そのうえで、「仲介」で売る場合のポイントをいくつか挙げていきましょう。

まず、物件の買い替えを前提に売る際に、「買い先行」でいくか「売り先行」でいくかということ。「買い先行」は、新しく買う物件を先に決めてから売却活動を行うこと。「売り先行」は逆に、買う物件が決まっていない段階で現在の住まいを売り始めることです。

どちらを選ぶべきかは、現在お住まいの地域や物件の特性によって異なります。人気エリアで、築浅など“中古市場で優位性のある物件”をお持ちであれば、買い先行でもいいでしょう。

しかし、特に優位性がないのに買い先行にしてしまうと、想定していた売却価格を下回ってしまい、買い替え資金が不足するリスクが生じます。この場合は、売り先行にしたほうが安全です。

あるいは、買い先行でも一定期間で売れなかった場合には一定の金額で買い取ってもらう「買取保証」をつける、一定の金額や期間で売れなかった際に購入契約を白紙に戻せる「買い替え特約」をつけて、購入物件の契約するのがよいでしょう。

仲介会社選びの2つのポイント

次に、どの会社に仲介を依頼するか。選択肢は主に3つあります。「全国にネットワークを持つ大手の仲介会社」「地域密着の地場の仲介会社」、そして「新築時の分譲会社や注文建築会社系列の仲介会社」です。

では、このうちどの仲介会社が「より高く」売ってくれるのか。見極めのチェックポイントは以下になります。

・あなたのマンションや戸建てと同等の価格帯、同エリアの取引実績がどれだけあるか
・あなたの物件に対する理解度、査定金額対する説明力

取引実績が多ければ、それだけ集客に強いということです。さらに、物件への理解度が高ければ、その魅力をしっかりとアピールしてもらえます。物件への理解度という点でいえば、「新築時の分譲会社や注文建築会社系の仲介会社」に一日の長があります。系列の会社に十分な取引実績があるなら、ベストな選択肢といえるでしょう。

問題は、いくら物件のことを知っていても、仲介実績に乏しいケース。その場合は、仲介実績の多さを重視したほうがいいため、他の選択肢を視野に入れるべきです。

また、あなたの物件が人気エリアで物件にも魅力があるなど、広範囲からお客さんを呼び集められる物件であれば、全国にネットワークを持つ「大手の仲介会社」がいいと思います。逆に地元の人しか需要がなさそうであれば、その地域に強い「地場の仲介会社」を選ぶことをオススメします。

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