はじめに

なぜ「フルーツ炭酸」から離れた?

同商品を導入する背景にあるのは、2015年以降、少しずつ進む「フルーツ炭酸」市場の縮小です。同社の調査によると、年代別で30代と40代のフルーツ炭酸消費量が他の年代と比較して大きく下落しているといいます。

ファンタ

島岡バイスプレジデントは、大人になってからの飲料の選択肢の増加や、ライフスタイルなどの変化が要因と分析します。「ゼロカロリー系」飲料や、炭酸水などに切り替えるユーザーがいるようです。

今回の商品は、ファンタとともに青春時代を過ごした30〜40代がターゲット。「炭酸飲料から少し離れた、もしくは別の炭酸を飲んでいる人、自分はあまり選ばないという人に、もう一回ファンタに触れていただくきっかけを作る」と、島岡バイスプレジデントは狙いを語ります。

30代以上も「おやつ」はある

同社の調査で30代以上の多くは甘いものが好きで、15時以降におやつの時間があることが判明。「甘いものから離れている人も、疲労がたまりメンタルをリフレッシュしたい時に甘いものが欲しいと感じる。3時すぎると、われわれにとってゴールデンタイム」(島岡バイスプレジデント)。

容量は380ミリリットルで、希望小売価格が150円(税別)と、通常のファンタより価格はやや高め。30代以上は「価値があるものにはお金を払いたい」と考える人が多いことや、満足度が高いうちに飲み切れる量のバランスを考慮した結果といいます。「ファンタに戻ってきてほしいので、お求めやすい手頃なプレミアムに設定した」と、島岡バイスプレジデント。

ペットボトルの紅茶飲料でも一度離れた大人世代を「甘くない」味で呼び戻す動きがありますが、ファンタの場合は味をリッチ化して大人の「おやつ需要」を狙う構えのようです。はたして、すでにファンタを「卒業」した世代の心をつかむことはできるでしょうか。

この記事の感想を教えてください。