はじめに

時系列データも重要

報じられている数字の意味や、内訳を見る重要性を学んだ次は、時系列データを見ることも習慣づけましょう。

先程のグラフはまさに時系列データをグラフ化したものになります。「2019年10~12月期の実質GDPは前期比年率▲6.3%です」と言われても、頭に数字がしっかりと入っていないと、数字に対して正確な判断ができません。

なんとなく大きく下落しているようには感じるかもしれませんが、時系列で見てみると、明らかに今回の下落率が大きいことがわかります。今回は3年分(12四半期)の時系列データとなっていますが、先程紹介した内閣府のページでは1994年4~6月期のデータから確認できます。

比較すべき時期を探そう

時系列データを分析する時に、直近の数年間を見ることに意味はありますが、あえて比較する時期を意図的に抽出することも有効です。

前述のように大幅なGDP成長率の下落が消費増税によるものと仮定するならば、過去の増税時の時系列データを見ていくことで新たな発見があるかもしれません。たとえば、2014年4月(5%→8%)や1997年4月(3%→5%)の時を同じように見てみましょう。

2(出所):内閣府「国民経済計算」のデータを基に株式会社マネネが作成。

3(出所):内閣府「国民経済計算」のデータを基に株式会社マネネが作成。

消費増税時には個人消費が大幅に落ち込むことでGDP成長率も大幅に下落していますが、それぞれ個別要因もあります。直近の増税であれば2014年の時(上段の図)と比較になりますが、増税幅が2%と考えると1997年の時(下段の図)の方がいいかもしれません。

また、今回は増税のタイミングで幼児教育の無償化やキャッシュレス還元、軽減税率の適用などもあり、過去の消費増税の時にはなかった施策も同時に打たれています。比較をする場合は異なる部分を考慮する必要があります。
このように、新聞やニュースで経済指標が報じられても、表面上の数字だけを見るのではなく、その数字の意味や、内訳、時系列データを見ていく習慣をつけていきましょう。

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