はじめに
成長する「メンズ体毛ケア市場」
トリマーなどを含む、除毛や脱毛を目的とした男性用商品の合算した「メンズ体毛ケア市場」は、ここ数年で急成長しています。マンダム算出のデータ(各年2〜8月)によると、2019年のメンズ体毛ケア市場は2億4,800万円。2015年は1億1,200万円だったので、4年間で2倍以上に拡大しています。
生活雑貨専門店「ロフト」でも、男性用の除毛グッズの売り上げが伸びています。広報担当者によると、肌の露出が増える春から夏にかけて売れ、除毛剤は学生や20代の購入者が多いそうです。
「日ごろからスキンケアもしっかりされているようなおしゃれに気を使われている方が、目的買いでお越しになることが多い」(広報担当者)
ロフトでの売れ筋は「メンズスリンキータッチ 除毛クリーム」(リベルタ)「NULL リムーバークリーム」(グローバルオフェンス)といったクリームタイプの商品です。
除毛剤初心者がターゲット
市場における除毛剤はクリームタイプが主流ですが、マンダムが泡状の商品を出すのは、「除毛剤を使ってみたいけど、使ったことがない男子」をターゲットに定めているため。
15〜29歳のむだ毛が気になる男性2,900人を対象に実施した同社の調査によると、「腕とスネ」を処理したいのは約7割に上る一方、実際に除毛している割合は半分程度にとどまっています。
「(除毛剤初心者の男性からすると)販売されているクリームタイプの商品の本格的なたたずまいや、ベタつきそうといった印象から、ハードルが高い商品に見える」(池田主任)。一方、カミソリの使用も肌を傷つけるといったイメージから敬遠されているようです。
「使い方が難しそうで失敗しないか心配」といった理由で、体毛ケア商品を使うに至ってない層に、泡状の除毛フォームで手軽さをアピールする狙いです。「これから増えていくであろう除毛ウォンツを持った生活者に商品を届け、実績の拡大、市場の活性化につなげていきたい」(広報担当者)。
男性の美容に対する意識が高まる中、さらに一歩踏み込んだ今回の除毛剤。実際にどれだけのユーザーに受け入れられるのか、暖かくなるこれからの時期の売れ行きが今後を占う試金石となりそうです。