はじめに
昨年は5万人が集まり大混乱
2018年シーズンはさらにヒートアップし、1号テント出没はさらに早まって1月26日。 球団は「1人当たりが購入できる試合数は5試合まで」という制限を加えましたが、枚数制限は設けない措置を続けました。
チケットキャンプは前年の暮れにサービスを終了していましたが、他のチケット転売サイトには、配布直後から早い番号の整理券が高値で出品される事態に。3月1日当日も、1人で長時間窓口で粘る大量購入者が現れ、整理券を持っていても遅い番号の人は、限られた日程の分しか買えない人たちが続出しました。
翌2019年は、さらに大騒動になりました。この年はテント村対策のため、整理券を早い者勝ちではなく、抽選制にしました。3月1日に買える人を800人、3月2日に買える人を1,300人とし、抽選結果は球団サイトで発表するようにしたのです。これなら、何日も前から並ぶ合理性がなくなります。
しかし、抽選券の配布対象を「2月25日午前11時までに球場敷地内に入場した人全員」としていたところ、球団側の予想をはるかに超える5万人が球場に殺到。球団は2万人程度を想定していたのです。
午前11開始予定だった抽選券の配布を9時40分に前倒して、午前11時に球場のゲートを閉鎖。その時点で締め出されてしまった人が約1万人も出て、大混乱となりました。周辺道路にも人があふれ、高速道路や主要幹線でも大渋滞が発生。怒号が飛び交う場面を報じたニュースは、首都圏でも放送されました。
新型コロナ対策はカーペット?
以上の経験を踏まえ、今年は抽選券の配布時間を午前9時から夕方16時までとし、抽選券は25万枚を用意。警備員も大量に投入したわけですが、配布日は2月23日。すでに新型コロナウイルスの蔓延が大問題になっていた時期ですから、冒頭の通り、田辺氏は抽選券の配布に強く反対したのです。
球団側は事前に2メートル間隔で並ぶよう呼びかけていましたが、実現できるわけもなく、抽選券を求めて球場を訪れた人は、ごく普通の間隔で列を形成。約4万6,000枚の抽選券が配布されました。
抽選の結果は2月28日の昼過ぎに球団ホームページで公表され、3月1日は予定通り窓口販売を実施することを宣言しました。2月23日には2メートル間隔で並ばせることに失敗したからか、3月1日はパンチカーペットを2メートル間隔で順路に貼り、警備員を配置して、必ずその上で待機してもらうようにするそうです。
窓口販売も今年は3月1日の1日だけにし、抽選での当選者も1,200人に減らし、番号ごとにおおむね45分刻みで来場時間を指定。1つの時間帯に来てもらう人数も、昨年は90人でしたが、今年はその半分の45人に減らしたそうです。マスク着用も必須で、マスクを用意できない人は用意できる人に代役を頼むよう求めています。
チケットを購入する際には氏名や連絡先を書いてもらうため、筆記具も自前のものを持参するよう呼びかけています。今のところ、3月20日の公式戦開幕は予定通りですので、チケットの発売を延期すれば、さらに混乱を招くことは間違いありません。発売延期は不可能ではあるのです。