はじめに
地方に住む人はどうすればいい?
一方、悩ましいのは地方部のマンションや戸建のケースです。こちらは都市部のマンションと違い、一括で価格を予測してくれるサービスがあまりありません。少なくとも、精度が高いものは、私が知るところ見当たりません。
そのため、地方や戸建の場合は一定の取引実績がありそうな不動産会社に直接コンタクトをとり、相談に行くのがいいと思います。それこそ「気が引ける」かもしれませんが、「今の家がいくらなのかを知って、金額次第で買い替えるかどうかを決めたい」というのは決して非常識ではないと思います。
不動産会社も、将来のお客さんになるかもしれない相談者に対しては、相応の対応をしてくれるはずです。その際に怪訝な顔をする会社であれば、付き合わなければいいだけです。
逆にそこで親身になってくれる会社や担当者は、きっとあなたと相性がいいはず。将来、実際に売却する際にも心強いパートナーになってくれるでしょう。
「貸す」という選択肢も視野に
買い替えの際には、もう1つ視野に入れておきたい選択肢があります。それは、現在の家を売るのではなく「貸す」という方法。エリアによっては、売却よりも賃貸物件として貸したほうが、安定的に収益を得ることができます。
たとえば、売却査定価格800万円の家を売らず、月6万円で貸したとすると、年間の家賃収入は72万円です。10年ちょっと貸せば800万円の売却益とほぼ同じ収益が得られますし、その後で売るという選択肢もとれるわけです。もちろん築年数が経過すれば800万円よりは価格が目減りするでしょうが、それでも二束三文ということはないはずです。
欧米において、ローンを完済した不動産は「金の成る木」としてとらえられます。毎月の家賃という利息を生んでくれる資産と考え、売却よりも賃貸に回すケースが多いです。
ただし、残念ながら今の日本の不動産業界では「売却する際の価格」と「貸す場合の利回り」を一括で提案してくれる会社はそう多くありません。そのため、複数の会社に相談することになるかもしれません。
面倒かもしれませんが、それもすべて大切な資産をより有効に活用するためです。売り一辺倒ではなく、「貸す」も視野に入れながら検討してみることをオススメします。