生活

もう新品は買うな! 借金7000万円を返した考える消費法

人生を豊かにする新時代の買い物術

高いものを買っているわけではないのに、なぜかお金が貯まらない。必要なものは十分に持っているのに、生活の満足度が低い。それなりの商品が安く手軽に手に入る時代だからこそ、「安物買いの銭失い」の罠にハマりがちです。

かといって、高級なものに手を出したくても、給料は何年経ってもほぼ横ばい……。

『Casa BRUTUS』や『VOGUE』に載っている高級家具やハイブランドの服と、何年も買い替えていない格安家具とバーゲンで買った服で溢れるわびしい我が家を見比べて、ついため息をついてしまいます。

そんな現状を打破するべく、『もう新品は買うな!』という衝撃的なタイトルの著書を執筆された腕時計投資家の斉藤由貴生さんに、人生を豊かにする「考える消費」についてうかがいました。


「考えない浪費」から「考える消費」へ

「現在は誰もが安く手軽にものを買える時代。だからこそ、皆が手に入れられるような安物にはほとんど価値がありません。しかしながら、どんなに頑張っても稼ぐ額には限界がある。ならば、消費を工夫するしかないのです。本当に価値のあるものを見定めて、消費する必要があります」

そう語るのは腕時計投資家の斉藤由貴生さん。祖父がバレエ用品で有名なチャコット創始者、父が医者という家に生まれ、本来は“イージーモード”が約束されたはずの人生だったものの、両親の離婚によって家庭の経済状況が激変。

浪費家だった母親がつくった約7,000万円の借金を、自力で返済したつわものです。

「浪費家の母親を反面教師にしたこともあって、幼い頃からお金について考える機会は多かったです。

そして気づいたのが、価値のあるものであれば、我慢せずにお金を使って所有したほうがいいということ。これからの時代に豊かで充実した生活を送るためには、“考えない浪費”から“考える消費”にシフトする必要があります」

これを強く実感したのは、24歳で入学した大学時代。「ストイックに生きよう」と、贅沢品には極力お金を使わない生活を心がけた結果、思わぬしっぺ返しにあったそう。

「修行僧のように学業だけに集中しようと、まったくお金を使わない生活を目指したところ、すごくストレスを抱えてしまって……。結果、反動として友達と飲み屋で散財するなど馬鹿な浪費を繰り返してしまったのです。

このとき“考える消費”を行っていれば、余計なストレスも溜めず、無駄なお金を使わずにも済んだと思います。

例えばストレスを感じたときに、自分が心からほしくて、さらに飽きたら売れるような高級腕時計を買ったとします。そうすれば、ほしいものを手に入れたときの解放感でストレスが発散されて、お酒に散財することはなかったと思います。

腕時計はあとで売ることができるので資産は減りません。ですが、腕時計を買ったことによって、消費する気持ちにはストッパーがかかる。

もちろん売却時の価値が購入時より下がってしまうこともあります。ただ、ほしいのに我慢してストレスを溜め続けると、その限界が超えたときには差額以上を浪費してしまうケースが多々ある。そういった意味でも、価値ある消費にはメリットがあるのです」

体験として価値のないものや、あとに残らないものに使う“なんとなくの消費”の結果、残るのは自己嫌悪だけ。

「よくネットの記事などで、『彼氏がマックでクーポンを使っていて幻滅!』なんてものを見かけますが、本来は『クーポン券を使えるなんて賢い』と喜ぶべき。経済観念のしっかりした無駄遣いしない人ということですから」

自分が本当にほしいと感じるような高品質のものを手にすることは、信頼を得たり生活のレベルを上げたりすることにもつながります。

「IKEAのような安価な家具もいいのですが、部屋に1点だけでも高級なものを加えるとインテリアの印象がランクアップします。

コツはよく見えるところにお金をかけること。逆に、あまり目につかない小物類や消耗しやすいアイテムは安くても構わないと思います。

高価な時計や靴を身につけていると、周囲から“きちんとした、できる人”という印象を持ってもらいやすい。また、高価なものを買うと、意識して丁寧に扱い、手入れをするようになるので、いつでもピカピカな状態で使い続けられます。

考える消費のポイントは“捨てる”から“売る”にシフトするということです。

いらなくなったら“捨てる”ではなく、いらなくなったら“売れる”ものを買うようにすることで、ただお金を消費するだけでなく、最終的にお金を増やす消費ができるようになる。

高額品を買うことに抵抗がある人も、“売ったらいくらかお金が戻ってくる”と考えれば、高いから手に入らないと値段の問題で諦めていたものを買うハードルが低くなるはずです」

「売ること」前提の消費が生む好循環

このように買い物をするときには、「ときめくかどうか」だけでなく、「自分以外の誰かに高く売れるかどうか」も同時に考えるべき、と語る斎藤さん。

「価値のあるものは大事に使うし、価値のないものはぞんざいに扱われてしまう。丁寧に扱われることでより価値が残ることになり、その結果、他人にも売りやすくなる。こういった好循環が生まれます。

私のこの“売れるものを買う”という考え方は、中学時代に身につけました。バイトができないので、ほしいものがあっても自由に買えない。どうすればよいかと考えているうちに、“資産を減らさなければいい”という考えに行き着いたのです。

“買ってもお金が戻ってくるんだったら、問題なく買えるじゃん”ということですね。

そして、ホームページ作成をしてコツコツ貯めたお金で約60万円の時計、パテックフィリップを自分で買ったのが始まりです。これは何年か使った後に、数倍の値段で売ることができました。

そうやって時計を頻繁に買うようになり、手に入れたものがその後、しっかりと値上がりするという、小さな成功体験を積み重ねていったのです」

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