はじめに

むやみに使わず支出に優先順位をつける

実家暮らしの場合は、生活よりも自分のやりたいことを優先してお金を使うことができましたよね。

相談者さんは、一人暮らしを始めたら、何にお金を使いたいと考えていますか。後に回してよい支出はどれでしょうか。一人暮らしになると、通常は生活することが一番、それ以外が二番手以降となるでしょう。それは生きていくために必要な支出を優先させようとするからです。

交際費や被服費は、その優先順位が高位にあるものかどうかを検討してみましょう。使ってはいけないという意味ではありません。交際費にしろ、被服費にしろ、食べることより優先すべきと判断して支出する必要がある場合もあるでしょう。その度合いを測っていきましょう、ということです。

毎月の収入は限られていますから、むやみに使ってしまっては、必要なところに支払うことができないまま、なくなってしまうかもしれません。それでは「一人暮らしはきつい、つらい」という思いしか残らず、続けられないかもしれません。

毎月の収入で支払うべきものに優先順位をつけるというほかに、毎月購入したり支払うのが難しい、優先順位が低いものに対しての支出は、ボーナスの一部から予算をつけるなど、工夫をすることも手段の一つです。

やりくりに慣れたら、貯金を作る習慣を

今は生活費がかからない分、貯金もしやすかったことと思います。それが実家暮らしの醍醐味でもありますしね。

一人暮らしを始めても、貯金をする習慣は継続してほしいと思います。毎月支出をして、貯金もして、ということは大変かもしれませんが、習慣ができると、将来に向けた資産形成も可能になります。

貯金を取り崩さずに家計が安定するのなら、少額からでもよいので、投資を始めることを検討してみましょう。投資信託について知識を得てから、定期的に積立ながら長期分散投資をしていきましょう。今のように株価が下がった時でも、この投資方法なら対応していけます。

iDeCoやつみたてNISAなど、非課税制度を使ってもよいと思いますよ。調べて、知っていただきたいと思います。相談者さんはまだ20代、時間を味方につけられるということも大きなメリットです。やる価値は十分あります。

生活をしっかり維持できるようになるには、もしかすると時間がかかるかもしれません。一時的に貯金に頼って暮らすこともあるかもしれませんが、前述したことを行動していただければ、支出の仕方が整い、生活自体も整っていくでしょう。

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