はじめに

【1】当分新型コロナの影響が続きそうな場合

有事のドル買いが続いています。2020年3月19日~20日現在、米ドルが34年ぶりの高値をつける状況となっています。新型コロナだけに限りませんが、有事にはドルが強く、ドル高円安が生じています。

他の通貨では必ずしも円安となっていません。むしろ円高へ振れる通貨も多くあります。そのため、今後も新型コロナの影響が続くとした場合、米ドル主体に投資を行っていくとよいでしょう。

例えば、リスクを積極的に取りに行かないのであれば、米ドル預金でもよいです。米国債への投資もアリです。

リスクを取りに行ってもよい、中長期での運用を検討ということであれば、米国株式も検討されるとよいでしょう。継続して収益を生み出している企業で、配当利回りの高いものなどが今だと投資し甲斐があるかもしれません。

もう一つ、有事の金買いも忘れてはなりません。中長期的に見て、金価格は上昇傾向にあります。短期的には、換金などに伴い金価格がいったん調整していますが、長い目で見れば上がる要素の方が多いと思われます。そのため、金も資産として組み入れておかれるとよいでしょう。金は現物での購入でも、ETFや投資信託による購入でも構いません。

もう一つ、大きく下がった日本株式を検討していくのもよいと思います。とはいえ、業績下方修正が見込まれる中、なかなか買いにくいのも事実です。そこで、景気に左右されにくい業種(医薬品、公益関係など)を狙いつつ、無借金の企業を探していきます。配当面からも買いやすい企業は多く出てきていますので、チャンス到来と考えてよいでしょう。

基本的には、米ドル関連、金関連、日本株関連の3つを軸として運用を検討されてはいかがでしょうか。

【2】新型コロナがある程度終息していく模様である場合

この場合には、いったんどの市場も快方に向かうと思います。そのため、価格が大きく下がっている資産を中心に買っていくことを検討します。

例えば、観光関係、鉄道関係はある程度元に戻していくことでしょう。具体的には旅行会社やインバウンド関係、鉄道、ホテルといった業界の株式投資を検討していきます。現状ではまだ不透明のためなんとも言えませんが、明るい兆しが見えてからでも遅くはないと思います。

日経平均株価やNYダウなどもある程度戻すと思われます。そのため、株価指標に連動するETFや投資信託も投資対象として見ることができます。米ドル以外の外貨も投資対象として候補に挙がります。

終息を待ち、コツコツ買い続けること

こうした状況がどっちに転ぶかは誰もわかりません。ただ言えることは、これが数年や10年単位で続くといったものではないだろうということ。そのため、どこかで終息するでしょう。そのときを待ち、ひたすらコツコツ買っていくのが今は賢明かと思います。

こういうときに有効となるのが、ドルコスト平均法です。ひたすら選定した銘柄、投資対象を毎月コツコツ買っていくのです。個人的には、米ドルと金は少なくともドルコスト平均法で買っていかれるとよいと考えます。あとは、明らかに割安になっている株式を探し投資していくことです。

とりあえず【1】のシナリオを軸として検討してみてください。明るい兆しはどこかで現れるはずです(ワクチンの開発など)。そのときを信じてコツコツ買っていくことが今は一番無難な投資方法ではないでしょうか。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。