はじめに

普段通りの生活は得られるか

この声明を書いたコンボの理事の佐々木理恵さんは、メンタルヘルスの当事者としての経験をいかし、医療機関でピアスタッフ(病の経験を活かし働くスタッフ)をしています。

佐々木さんは、「外に出ることも難しい状況なので、ついテレビを長時間見てしまいがちですが、ニュースやワイドショーを長時間見ていると同じ内容が繰り返されて余計に不安になり、情報量が受け入れられるキャパシティを超えてしまいがちです。

そういうときはテレビを消して、普段はなかなかできない部屋の片付けに取り組んだり、読もうとしても読めなかった本や資料に手を伸ばしてみるのも、時間を過ごすひとつのやり方かもしれません」と話します。

心理学やメンタルヘルスの世界で、近年広まった言葉にレジリエンスというものがあります。レジリエンスとは、困難な状況下にあっても心が折れることなく、柔軟に生き延びようとする心のありようを指しています。

レジリエンスは、ものの見方を変えることによって、後天的に高めることができるとされていますが、このレジリエンスこそ、この状況下で生きるすべての人が必要としている能力なのかもしれません。

コンボが声明を出してからすでに1ヶ月あまりが経過し、新型コロナウイルスをめぐる世界の状況はますます緊迫度を増しています。

緊急事態宣言も出されたいまは、普段通りの生活をすることがさらに難しくなっている状況ではありますが、こんな時だからこそ、状況の変化に慌てず対応する心のしなやかさが求められていると言えそうです。

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