はじめに

営業車ぽさが薄まったデザイン

かつての登録台数トップの常連、カローラも、いまはプリウスやアクアなどにその座を奪われています。ところが昨年の10月、カローラシリーズの販売台数が1万1,190台(日本自動車販売協会連合会発表)を記録し、久しぶりに販売ランキングで1位となりました。当然、車名別販売台数ランキングでカローラがトップに立った、というニュースは業界にちょっとした衝撃を与えました。カローラが首位を奪還したのは2008年11月以来、約11年ぶりだそうです。

セダン存在感あるフロントマスクがセダンデザインと合っている

最大の要因は19年9月に行われたフルモデルチェンジで12代目が登場したことにあります。ハイブリッドにガソリン車とエンジンもトヨタらしくきめ細かで守備範囲が広くするなど、新型車効果が大きかったのでしょう。デビューの段階での月販目標台数は、セダンのカローラが1,700台、ワゴンのカローラツーリングが5,400台、そしてハッチバックのカローラスポーツが2,300台という内訳です。

カローラシリーズ全体の販売実績で見ると、ここでも一番の立役者はセダンではなく、ワゴンモデルのツーリングということになります。確かに今度のツーリング、若い人たちへのアピールがとても上手く出来ていると思います。スポーティなデザインが本来、SUVなどに行く人たちに待ったをかけたこともあったでしょう。営業車っぽい雰囲気がすっかり希薄になったデザインは、この支持率の高さに現れているのだと思います。

セダン上質なデザインのリアスタイルはカローラセダンの注目ポイント

“若い人狙い”のデザインがセダンにも十分に生かされていると感じたのは、試乗会でリアスタイルを撮影しているときでした。これまでのカローラ・セダンと言えば、営業マンご用達で知られるように“あまり目立たず、かといって埋もれず”という、意地悪に言えば、「事なかれ」っぽい雰囲気で捉えられていました。ところが「今度のカローラ、カッコいいな」と素直に感じる目立ち度なのです。

とくにリアランプ部分の上質感はけっこう魅力的に感じました。最近のトヨタ顔が慣れないという方も多いのは分かりますが、これでフロントマスクとリアスタイルの整合性がキッチリと付いた感じのデザインで、「悪くないな」と思いました。

そして、デザインということではマツダ3のセダンも注目したいです。

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